今ではクリスマスには欠かせない存在のいちご。2024年12月10日、野菜ソムリエたちが評価員をつとめ、クリスマスシーズンに最もおいしい冬いちごを決める「第2回クリスマスいちご選手権」が開催されました。

会場は、東京・浅草橋駅から徒歩数分の場所にある「F’S DESIGN COURT」。業務用冷凍冷蔵庫や冷凍・冷蔵ショーケースなど、冷やす技術で食のインフラを支えているフクシマガリレイ株式会社様のキッチンスペースです。
【フクシマガリレイ株式会社】https://www.galilei.co.jp
準備チームはひとつずつ丁寧に洗って水気を拭き、評価員の席へと手際よく配布しています。



今回は全国から63品もの冬いちごがエントリー。評価員は前半と後半の入れ替え制で、半量ずつのいちごを、商品名、品種、産地・生産者情報のすべてを伏せたブラインドでの食味評価が行われました。
準備が整い、前半Aグループ(エントリーナンバー1番〜34番)の審査がスタート。まずは、薄く味付けされた甘味・塩味・酸味・無味の4種の水溶液を判別する味覚識別テストを受けます。
Aグループはやむを得ずキャンセルとなった1品を除き、33品のいちごを評価します。グリーンのカップのいちごは評価基準となる市販品。これを平均的な味(5点)として、10段階評価をしていきます。


あえて丸ごとかぶりつく人、へた取りグッズを活用する人、持参したまな板とナイフで半分にカットしながら食べ進める人、全部カットし終えてから評価を始める人など、味わい方は人それぞれの様子。


それにしても、いちごが並ぶ姿、個性豊かなヘタの形状までもなんて可愛いのでしょう。思わず見惚れてしまいました。あ、のんびりしている時間はありませんね。私も審査に取り掛かります。

公平を期すために、それぞれ異なる位置に貼られた付箋の番号から審査を始めます。私は31番から。
持参したナイフで縦半分にカット。私は後半で満腹になってしまわないよう半個ずつ試食していきます。31番は、キリっとした酸味とやわらかな甘み、食感は硬め。いちご単体で食べるよりも、ケーキに向いていそうな味わいだと思いました。
次は32番をカットして口に運びます。鼻腔を抜けるトロピカルな香りが印象的。食感はやわらかめで舌触りはなめらか。甘みも酸味も濃厚で、高めの配点をしました。次に33番、34番、1番、2番、3番…の順に評価していきました。
半個ずつ試食して一巡。すべての評価点とコメントを記入したあとは、「いちばんおいしいと感じたいちご」をひとつだけ選ばなければなりません。半個ずつ残したいちごで二巡目の試食を行い、悩みつつも自分的No.1を決定。合計33個(+基準の1個)の冬いちごを完食して審査を終えました。
審査結果は以下の通りです!
※敬称略(販売時の商品名/出品農家・団体名/生産地)
最高金賞
「べにたま〜X(くれない)〜」
久米原農園 8代目 美幸
(埼玉県本庄市)
<評価員のコメント>
・丸みのあるフォルム、インパクトのある甘さと華やかな香りが素晴らしい。生食に最高!
・とろけるような食感が甘さをさらに引き出す。あま~い!
・甘さ抜群。口あたりの良い食感、とてもフルーティーでびっくりです
<生産者のこだわりポイント>
今シーズンより高設栽培をスタートさせまだ手探り中ですが、味を重視して栽培管理しています。
程よい酸味と甘味の絶妙なバランス 。埼玉県産 新品種 べにたま。
<お問い合わせ>
SNS:https://www.instagram.com/kumehara_farm/

タナカトウコ
/取材・文・撮影
野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。
インスタグラム toko_tanaka