日本のお正月に欠かせない温州みかん。あなたはこの冬、いくつ食べましたか?温州みかんは日本が原産とされ、欧米では「Mikan」や「Satsuma」と呼ばれることも。9月から10月にかけて収穫されるものは「極早生(ごくわせ)温州」、10月から12月にかけては「早生(わせ)温州」、11月から12月にかけては「中生(なかて)温州」、1月以降に収穫されるものは「普通温州」「晩生温州」と呼ばれます。

農林水産省が発表した令和6年産果樹生産出荷統計によると、全国の総収穫量55万9,600トンのうち、約6割を占めるのが早生温州で32万5,804トン、残りの約4割を占めるのが普通温州で23万3,800トンです。令和6年産みかん収穫量の都道府県別ベスト5は、1位が25%を占める和歌山県14万1,700トン、2位が16%を占める静岡県8万8,500トン、3位が14%を占める愛媛県7万6,100トン、4位が11%を占める熊本県6万3,800トン、5位が5%を占める佐賀県2万9,400トンとなっています。ただし、令和2年産からの全国の収穫量を見てみると、年々減少傾向にあり、令和6年産の収穫量は前年産に比べ18%減少しており、国産みかんの未来が懸念されます。
温州みかんの歴史と種類
温州みかんは、鹿児島にもたらされた中国由来の柑橘類を母体として、日本で偶然生じた変異が選抜・栽培されて成立したと考えられています。封建社会の江戸時代には縁起が悪いとされてきた種なしの温州みかんですが、そのおいしさもあって、文明開化の明治になって栽培が一気に広がり、大正時代には日本の主流となりました。ちなみに、温州みかんの名前は、柑橘類の名産地として知られる中国浙江省温州にあやかり、日本の本草学者が名付けたのだそうです。
温州みかんの品種は非常に多く、極早生温州では「日南1号」、「上野早生」、「ゆら早生」、「肥のあかり」など、早生温州では「宮川早生」、「興津早生」、「田口早生」、「小原紅早生」など、中生温州では「南柑20号」、「向山温州」、「石地温州」、「させぼ温州」など、普通・晩生温州では「青島温州」、「林温州」、「大津4号」、「寿太郎温州」などが栽培されています。また、各地に地域の名などを冠したブランドみかんがあり、さらに糖度12度以上・クエン酸0.9%以下の高糖系品種の導入が増えて、おいしさを競い合っています。とびきりおいしい温州みかんを探すなら、日本野菜ソムリエ協会が開催する「全国みかん選手権」の結果も参考になると思います。
みかんの栄養学
温州みかん(普通)の栄養素といえば、まずは免疫力の維持や体内でのコラーゲン生成に欠かせないビタミンCで、100gあたり32mgも含まれています。鮮やかなオレンジ色は、体内でビタミンAとして働くカロテノイドの一種ベータクリプトキサンチンによるもので、その含有量1700μgは果物の中でもトップクラスです。ビタミンAは皮膚や粘膜を健やかに保つのに役立ち、すぐれた抗酸化力でも知られています。果肉を包む袋(じょうのう膜)やアルベド(白い筋)には、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、血流改善や毛細血管の強化といった働きが期待されるポリフェノールの一種ヘスペリジンが豊富に含まれていますので、食べる際にはぜひ袋や白い筋ごとお召し上がりください。
温州みかんの選び方と保存のコツ
購入時には、果実が平べったく、果皮の色が濃く、重みがあり、ヘタが青くて小さく、皮が浮いていないものを選びます。
保存は通気性のある涼しい場所で。箱で購入した際は、1個が傷むと周囲のみかんも傷みやすくなるため、まずは全部を取り出してチェックし、柔らかめのものは4~5個ずつポリ袋に入れて冷蔵庫へ、硬めのものは箱に戻して、玄関などの冷暗所で保存します。その際、箱の底と側面に通気のための穴を開け、箱の底に新聞紙を敷いてみかんを並べ、さらにその上に新聞紙を敷いて2段目を並べます。3段目まで入れると重さで下のみかんがつぶれてしまうので、並べるのは2段目までに。その後は3~4日ごとに傷んでいないかチェックし、上段と下段を入れ替え、柔らかくなったものから早めに食べましょう。また、酸味の強いみかんは、冷蔵庫で保存すると、酸味が抜けて甘みが引き立つようになります。
みかんソースで白身魚のソテー
みかんを絞ってソースにしてみました。今回は鯛の切り身を使いましたが、白身魚のほか、チキンやポークのソテーなどにもよく合います。作り方のポイントは、バターを加えて溶かした後、泡立て器やへらでよく混ぜ、なめらかに乳化させること。飾るハーブはディルのほか、フェンネルやタイムもおすすめです。

材料(2人分)
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温州みかん |
2個 |
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白身魚の切り身 |
2切れ(200g) |
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塩 |
小さじ1/2 |
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こしょう |
少々 |
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薄力粉 |
大さじ1 |
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オリーブオイル |
大さじ1 |
| ● |
白ワイン |
大さじ1 |
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バター |
15g |
| ● |
ディルの葉 |
適宜 |
作り方
- 温州みかんはよく洗い、薄い輪切りを2枚スライスし、残りは果汁を絞ります。白身魚の切り身は塩の半分とこしょうをふって10分ほど経ってから、キッチンペーパーで水気を拭き取り、薄力粉をまぶします。
- フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、白身魚の切り身を皮目から5分ほど焼き、焼き色が付いたら裏返して弱火で1分ほど火を通します。
- 魚を取り出したフライパンに①の果汁、ワイン、塩の残り半分 を入れて中火にかけ、半量ほどに煮詰まってきたらバターを加えて溶かし、泡立て器やへらでよく混ぜて乳化させ、火から下ろします。
- お皿にソースを入れ、魚を盛り、輪切りの温州みかんを乗せ、ディルの葉を飾ります。
*ミカン科ミカン属
・果実が平べったく、果皮の色が濃く、重みがあり、ヘタが青くて小さく、皮が浮いていないものを選びます。
・種類:収穫時期によって、極早生温州、早生温州、中生温州、普通・晩生温州があります。