まもなく夏本番!暑い季節は夏バテや夏風邪が気になります。そんなとき頼りになるのがスタミナ野菜の代表、にんにくです。ネギ科ネギ属に分類され、原産地は中央アジアといわれています。古代エジプトや古代ギリシャ、古代ローマでも薬用や香辛料として利用されていたのだとか。日本へは中国を経て8世紀頃に伝来し、平安時代の書物『本草和名』(918年)にも登場するほど、古くから愛されてきました。
日本一のにんにく産地といえば青森県で、全国の生産量の約7割を占めています。また、にんにくの茎や芽も野菜として出回っています。
にんにく特有の香りはアリシンという成分によるもので、疲労回復に欠かせないビタミンB1の吸収を高め、すぐれた抗酸化作用や食欲増進作用でも知られています。また、体内の余分な塩分の排出を助けてくれるカリウム、たんぱく質の分解や合成に関わるビタミンB6、糖をエネルギーに変換するビタミンB1、赤血球の形成に役立つ“造血のビタミン”葉酸などを含んでおり、まさにスタミナアップに最適なヘルシー野菜です。ただし、食べ過ぎると胃腸を刺激しすぎてしまう場合があり(生食は特に刺激が強い)、1日1~2片程度に控えた方が安心です。
選びかたと保存
購入の際は、外皮がしっかりと乾燥し、お尻にカビがなく、ずっしりと重みがあり、1片ずつの大きさが均等で、芽が伸びていないものを選びます。通気性のよいネットやカゴに入れ、風通しのよい冷暗所で保存するか、ポリ袋に入れて冷蔵します。長期保存する際は、1片ずつ薄皮をむき、ラップで包むか密封できるポリ袋に入れて冷凍を。調理の際は焦げやすいので、熱した油に入れるのではなく、火にかける前から油に入れて弱火で熱するのがポイントです。
スペイン語で『ソパ・デ・アホ』と呼ばれる、カスティーリャ地方の郷土料理。アホとはスペイン語でにんにくを意味し、疲労回復や風邪を引いてしまったときにぴったりな、元気が出るスープです。
- にんにく3片は薄切りにし、EVオリーブオイル大さじ1とともに鍋に入れ、弱火で色づく程度に炒めます。3センチ角に切ったバゲット2切れと食べやすい大きさに切った生ハム2枚を加えて炒め、パプリカパウダー少々をふります。
- 1に水2カップとコンソメの素を加えて強火にし、沸騰したら卵を落として、半熟になったら火を止めます。お好みで塩こしょうで味を調え、仕上げに刻んだパセリをのせます。かき卵風に仕上げてもOKです。