菜果図録
クリスマスの食卓に「森のバター」を アボカド

 街にイルミネーションがきらめく季節になりました。クリスマスの食卓を彩る緑の食材に、ぜひアボカドを活用してみませんか。アボカドは熱帯アメリカ原産の果樹で、生産量世界一のメキシコを筆頭に、ニュージーランド、アメリカのカリフォルニアやフロリダなど、温かい地域で栽培されています。日本で出回っている約9割はメキシコ産で、年間を通じて輸入品が店頭に並んでいますが、希少な国産品が和歌山県、愛媛県、沖縄県などで生産されており、11月から収穫が始まります。

 アボカドはその濃厚でクリーミーな味わいから「森のバター」と呼ばれ、悪玉コレステロール値を下げるといわれている不飽和脂肪酸のオレイン酸をはじめ、ビタミンB群、C、E、カリウム、ベータカロテン、ルテイン、食物繊維など多彩な栄養成分が含まれています。
 メキシコ料理でおなじみのワカモレをはじめ、サラダやディップなどで食べるのが定番ですが、ソース、スープ、スムージーなどに使えばクリーミーでコクのあるおいしさに仕上がります。また、魚介類との相性がよいので、ツナや海老と組み合わせたり、和食ならマグロ丼や寿司などの具に加えると美味。優しいグリーンの色合いは、クリスマスの食卓にきっとよく似合います。

選びかたと保存

 果皮が黒っぽくなり、表皮に弾力があれば、完熟した食べ頃のサインです。柔らかすぎるもの、ヘタが取れてしまっているもの、皮と実の間がふかふかしているものは避けましょう。皮が緑色で、まだ固い感触のものは、紙袋に入れて室温で追熟します。りんごやバナナなどエチレンガスを発生する果物と一緒に入れると、早く熟成が進みます。
 熟していないうちにカットしてしまった場合は、ソテー、フライ、天ぷらなど加熱調理するのがおすすめです。アボカドの果肉は空気に触れると変色してしまうので、酸化防止のため、切ったらすぐにライムやレモンの果汁をかけ、ラップなどで密封しましょう。


アボカドたっぷりセビーチェ

 色とりどりの野菜を使ってカラフルに仕上げました。セロリ、スイスチャード、パクチーなどお好みの野菜を加えてどうぞ。小海老やタコの他、マグロや白身の刺身でもよく合います。

作り方
  1. アボカド1個、キュウリ1本、黄パプリカ1/2個、紫たまねぎ1/2個、刺身用タコ80gは1.5センチ角に切り、ミニトマト5個とゆでた小海老80gは1/4に切ります。
  2. 1に、オリーブオイル大さじ4、ライム果汁(お好みでレモンや柚子でも)大さじ2、市販のハーブソルト小さじ1、タバスコ少々を加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やします。
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written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。