春野菜が店頭に並び、食卓にも春の風を感じる季節になりました。そらまめも春に収穫が始まり、主に4月から6月にかけて旬を迎えます。その歴史は非常に古く、エジプトでは4000年以上も前から栽培されていたそうで、日本には奈良時代に伝来したのだとか。さやが天に向かうように上向きに育つ姿から、そらまめという名が付いたといわれています。
全国の生産量の約1/3を占めているのが鹿児島県で、千葉県、茨城県と続き、北海道から沖縄県まで全国各地で生産されています。
そらまめは未熟な豆を調理して食べますが、大豆などの豆類と同様に植物性たんぱく質が豊富です。また、美肌づくりや免疫力アップに欠かせないビタミンC、ビタミンK、体内の余分な塩分の排出に役立つカリウム、腸内環境を整えてくれる食物繊維など、様々な栄養素を含む、とてもヘルシーな食材です。
選びかたと保存
豆をさやから取り出すと早く風味が落ちるので、店頭で選ぶ際はさや付きのものがおすすめです。さやが鮮やかな緑色で黒ずみがなく、つやと弾力があるものを選びます。収穫後おいしいのは3日間といわれるほど、鮮度が落ちやすいため、購入後はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ入れ、できるだけ早く調理しましょう。
保存する際は、豆をさやから取り出し、1分ほどゆでてから冷凍します。定番の塩ゆでは、調理の直前にさやから豆を取り出し、お歯黒と呼ばれる黒い部分に包丁で切込みを入れ、たっぷりの湯で1分半から2分ほど塩ゆでし、ゆで上がったらざるに取りそのまま冷まします。水っぽくなるので、冷水には浸けません。
塩ゆでの他、皮をむいて素揚げや天ぷらにしたり、ポタージュスープにしたり、さやごと焼いても美味です。お気に入りの召し上がり方で、この時期だけの旬の味覚を満喫してくださいね。
そらまめをさやごとグリルで丸焼きにします。さやの中のわたに含まれる水分で豆が蒸し焼きになり、香ばしさもプラスされ、塩ゆでとはまったく違う新しいおいしさに。中のわたの部分は甘み成分が多いので、スプーンですくって食べても美味です。
- そらまめをさやごと魚焼きグリルに入れ、皮が焦げる程度まで(7~10分ほど)強火で焼きます。オーブントースターでもOKです。
- 焼きたてを皿に盛り、お好みで塩を添えます。