鍋料理に欠かせない白菜は、寒さがつのる11月から1月頃にかけて甘みを蓄え、もっとも美味しい季節を迎えます。鍋に良し、漬け物に良し、味噌汁の具にも良しと、使い勝手の良さからか、日本人が食べている野菜ランキングの4位にランクインしています。
日清・日露戦争の際に中国から日本へ持ち帰り、栽培が本格的に行われるようになったといわれ、英語ではチャイニーズ・キャベツと呼ばれています。北海道から沖縄まで全国各地で栽培されていますが、中でも収穫量が多いのは茨城県と長野県。この2県だけで全国の約半分以上を占めています。
紫色やオレンジ色の白菜も!?
白菜は、葉がしっかりと巻いたおなじみの結球タイプ、山東菜や長崎白菜など葉先がゆるやかに開いた半結球タイプ、広島菜など結球しない不結球タイプの3つに分類されます。細長い円筒型の「タケノコ白菜」、ミニ白菜の「娃々菜(わわさい)」「黄味小町」「お黄にいり」、抗酸化力にすぐれたアントシアニンが豊富で葉が紫色の「紫奏子(むらさきそうし)」、中の葉に抗酸化力が高いオレンジ色の色素成分を多く含む「オレンジクイン」、生食専用の「サラダ白菜」や「タイニーシュシュ」など様々な種類があります。見慣れない白菜を見かけたら、ぜひ食べ比べてみてくださいね。
白い軸の黒点は食べても大丈夫?
白菜は100g当たり14kcalと非常に低カロリーながら、免疫力を高めて風邪予防にも役立つビタミンCが100g当たり19mgも含まれています。ほかにも、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けてくれるカリウムは220mg、成長期や骨粗しょう症の予防に欠かせないカルシウムは43mgと、意外に多くの栄養素が含まれています。
ちなみに、白菜の白い軸の部分にゴマ粒のような黒点が出ている場合がありますが、これはゴマ症と呼ばれる生理障害によるもの。白菜が栽培環境にストレスを感じた際にできるもので、黒点の正体はすぐれた抗酸化力で知られるポリフェノールなのだとか。カビや病原菌ではありませんので、どうぞ安心してお召し上がりください。
白菜を使い切る保存のコツ!
白菜はキャベツや大根と同様に重量野菜と呼ばれ、その名の通り大きく重い野菜です。そのため、丸ごと1玉を使い切るのは、大家族でもない限り、至難の業です。そこで、鮮度をキープしながら保存するコツをご紹介しましょう。
丸ごと1玉なら、新聞紙などで包み、葉先を上にして立てて、日光が当たらないベランダや玄関など涼しい場所で保存します。調理の際は外側の葉から1枚ずつはがして使い、小さくなってきたらラップで包み、冷蔵庫の野菜室で立てて保存します。カットされた白菜の場合は、芯の部分に成長点があるため、芯に包丁で切込みを入れるか、芯に近い内側の葉から使っていきます。近日中には使い切れないなら、ザク切りにして生のまま保存袋に入れ、密封して冷凍庫へ。調理の際は、凍ったまま煮汁に加えるだけなので、とても便利です。
また、白菜は生食もOK!新鮮な白菜の柔らかい葉を手でちぎり、白い軸は繊維を生かして縦に千切りにし、サラダにするととても美味ですので、ぜひ一度お試しを。
白菜と豚の薄切り肉を重ねて土鍋にぎっしり詰めこみました。中央に配したキムチと海老は見た目のアクセントになるだけではなく、入れる量で辛さとうま味が調節できます。今回は昆布だしで作りましたが、かつおだし、鶏がらスープの素などでも美味!豆乳を加えれば、まろやかな味わいに仕上がります。
- 白菜と薄切りの豚肉を交互に重ね、土鍋の高さに合わせて切り、土鍋にぎっしりと並べます。
- 背ワタを取った有頭海老と好みの量のキムチを中央のすき間に入れます。
- 土鍋の半分の深さに昆布だしを注いで火にかけ、具材に火が通ったら、塩で味を調えます。