カレンダーが3月に入ると、気持ちが春めいてきますね。年間を通じて店頭に並ぶチンゲンサイですが、3月から5月にかけての時期と晩秋に多く出回ります。農林水産省発表の平成29年度の都道府県別の収穫量を見ると、第1位は茨城県、第2位が静岡県、次いで愛知県、群馬県、埼玉県と続き、北は北海道から南は沖縄県まで、全国各地で生産されています。
チンゲンサイは白菜や小松菜と同じアブラナ科に属し、1972年の日中国交回復の後に日本へ広まった中国野菜です。漢字では「茎・軸が青い菜」という意味で青梗菜と書き、英語ではQuinggengcaiと書きます。和名では「体菜(タイサイ)」と呼ばれるそうですが、やはりチンゲンサイという名前が一番しっくりきますね。
ミニ!スリム!色白!個性派ぞろいの仲間たち
しゃもじ型の葉でおなじみのチンゲンサイですが、探してみると他にも種類がありました。たとえば長さ10~15cmほどのミニチンゲンサイは、葉も軸もやわらかなので株ごと調理できる、家庭菜園の人気品種です。長茎チンゲンサイは、小松菜よりも少し太めの長い茎が特徴で、沖縄などで栽培されています。また、見た目はチンゲンサイとほとんど変わりませんが、軸が白いものはパクチョイと呼ばれています。ちなみに、菜花と同様に春先につく花芽も、チンゲンサイの菜花として食用になります。
鼻やノドの風邪、くちびるの乾きにベータカロテン!
クセのない味わいながら、栄養満点のチンゲンサイ。中でもベータカロテンは100g当たり2000μgと豊富です。ベータカロテンは体内でビタミンAに変換され、粘膜を健やかに保つのに役立つので、季節の変わり目で鼻やノドの症状が強い風邪を引いたときや、くちびるの乾燥が気になるときには、ぜひ積極的に食べましょう。ベータカロテンは油と一緒にとると吸収が高まるので、炒め物にしたり、スープならオリーブオイルやごま油を少したらすのがオススメです。美肌や免疫力UPに欠かせないビタミンCも100g当たり24mgとなかなかの優等生。また、体内の余分な塩分の排出を助けるカリウムや、不足しがちなカルシウムも含まれた、とても健康的な野菜です。
選び方は?保存法は?生のまま凍らせてもOK?
店頭で選ぶ際は、葉の緑色が美しく、葉や軸が肉厚で張りがあり、根元がふっくらと丸みのあるものを選びましょう。鮮度が落ちてくると葉が黄色く変色してきます。購入後はできるだけ早く食べるのが基本ですが、保存するなら湿らせたペーパータオルや新聞紙で包んでポリ袋に入れ、根元を下にして冷蔵庫の野菜室へ。4~5日で使い切れない場合は、水洗いして水気を切り、食べやすい大きさにカットし、食品用保存袋に入れて空気を抜いて密封し、冷凍しておくと、凍ったまま汁物、お浸し、炒め物などに使えて便利です。
シュウマイの皮の代わりにチンゲンサイをくるりと巻いた海老焼売です。中のあんは肉を使わず、むき海老とはんぺんを使い、ヘルシーに仕上げました。今回は刻んだ万能ねぎを加えましたが、きくらげ、しいたけ、たけのこなど、お好みの材料を刻んで加えると、いいアクセントになります。
- チンゲンサイは大きめの葉12枚をよく洗い、葉を上にして束ねるように持ち、鍋に沸かした湯に軸だけを浸し、やわらかくなってきたら葉まで入れ、しんなりしたらざるに上げます。
- むき海老150gのうち、飾り用の12尾を取り分け、残りを粗く刻みます。万能ねぎ5本は小口切りにします。
- はんぺん1枚を食品用ポリ袋に入れ、袋の上から手でよくつぶし、切ったむき海老と万能ねぎ、きび糖小さじ1、鶏がらスープの素小さじ2、片栗粉小さじ2、おろししょうが小さじ1、こしょう少々を加え、袋の上から手で練り混ぜます。
- 1のチンゲンサイの葉を広げ、片栗粉少々を振り、12等分にした3を軸の端にのせ、くるりと巻き、底を葉で包み込み、飾りに取り分けておいた海老をのせます。
- 皿に4を並べ、中火で7~8分ほど蒸すか、ふんわりとラップをかけて電子レンジ強(600W)で4~5分ほど加熱します。