2019年6月26日(水)、野菜ソムリエサミット特別企画「トマトグランプリ」が開催されました。エントリーされたトマトは39品目。いずれも愛情をたっぷり注いで育てられた逸品揃いでした。約70名もの食のプロフェッショナルたちによるブラインド試食審査を経て、今もっともおいしいと感じるトマトが選ばれたトマトグランプリ当日の様子をレポートします。
今回のトマトグランプリは、毎月実施されている「野菜ソムリエサミット」(野菜ソムリエによる野菜・果物とその加工品の品評会)の特別版。一般社団法人 日本イタリア料理協会の協賛、料理王国の協力のもとに開催されました。野菜ソムリエサミットは、価値ある青果物や加工品を評価・認証し、広く世の中に発信することで生産者を応援し、日本の農業の活性化に寄与することが目的となっています。
トマトグランプリが開催された会場は、銀座にある「レストランダズル」。天井が高く心地よいリッチな空間でした。各テーブルには、審査用のトマトがスタンバイ。前方にいらっしゃるのは、司会を務める野菜ソムリエプロ松岡としこさんです。
会場に集った審査員は、青果流通関係者、種苗メーカー、生産者、野菜ソムリエ資格保有者など、食のプロフェッショナルたちが総勢約70名。特別審査員として、リストランテ アクアパッツァ 日髙良実シェフ、料理王国 副編集長 浅井直子氏、東京青果株式会社 野菜第2部 課長 吉井正人氏、日本野菜ソムリエ協会 理事 王理恵氏がいらしていました。
一般審査員が試食審査するのは、出品された39品目のうち21〜22品目。テーブルごとにランダムに選ばれたトマトが並べられていました。ずらりと並ぶピカピカのトマトを眺めるだけでワクワクします。なお、特別審査員の方は39品目すべてを試食審査されるとのことでした。
審査方法は、すべての情報が隠されたブラインド試食による、味覚評価、相対評価。それぞれのトマトをじっくりと味わって、そのおいしさを総合的に点数化していきます。より公平を期すために、食べる順番も配布しているトマトの番号も人によって異なっていました。出品者へのコメント欄は、農家さんへのフィードバックが前提ですから、率直な感想を記入しました。
審査は他の人の意見に影響されないよう、隣席と会話することなく無言で進めていきます。野菜ソムリエの仲間たちも黙々とトマトと向き合っていました。
ミニトマトは1個ずつ、中玉や大玉は1切れずつ配布されていましたが、味の確認のためにもう一度食べたいトマトがある場合にはおかわりの対応もありました。いいシステムです(笑)。
審査会終了後は、おまちかねの懇親会。乾杯は、ローズマリーがあしらわれたトマトジュースのノンアルコールカクテルで!
フィンガーフード的な前菜から、サラダ、メイン、デザートに至るまで、トマトづくしのお料理の数々。トマト好き的にはなんとも至福の時間でした。
懇親会後半には、野菜ソムリエの資格も保有しているアンミカさんのトークショーも。美のカリスマならではの野菜果物の摂り入れ方などもお話してくださいました。
こちらはトマトのPRコーナー。審査後に渡された生産者情報の冊子を見ながら、試食審査していないトマト、審査で試食して気になった番号のトマトなど、あらためて試食してみました。ブラインド試食時と印象が違ったものもあったりして、自然のものを審査することの難しさを実感。それにしても、今日はいったい何個のトマトを食べたことでしょうか(笑)。
そうこうしているうちに結果発表の時間に。大玉部門は王理恵氏より、中玉部門は東京青果株式会社吉井氏より、小玉部門は日髙シェフより発表がなされました。
■大玉部門
第1位 あまえっこぜいたくトマト/株式会社北海道興農社
第2位 薩摩甘照/高槻電器工業株式会社
第3位 高糖度プレミアムトマト/あかねオーガニック農園
■中玉部門
第1位 恋の実/農事組合法人ファーム順天
第2位 Azuki/株式会社めぐりとまと
第3位 あまえっこフルティカ/株式会社北海道興農社
■小玉部門
第1位 OSMICトマト/株式会社OSMIC
第2位 うふふの実フルティカ/株式会社クボタeファームやぶ
第3位 レッドジュエル・プレミアム/株式会社Jファーム
グランプリは、アンミカさんから発表されました。
■グランプリ(総合優勝)
OSMICトマト/株式会社OSMIC
残念ながら入賞に至らなかったトマトたちも、それぞれのおいしさがあり、甲乙つけ難かったというのが正直な気持ちでした。後ろのテーブルから、「これさー、相対的に低い点数になってしまったトマトでも高値で売られておかしくないレベルだったよなー」という声が聞こえてきて、心の中で激しく同意。出品してくださったすべての生産者さんに感謝したいと思います。おいしいトマトをありがとうございました。
撮影:中村光詞
取材・文:タナカトウコ