菜果図録
年中あるけど、国産は今が旬!キウイフルーツ

 寒さがもっとも厳しい季節となりましたが、この時期にはどんな果物をお召し上がりですか?冬に旬を迎える果物といえば柑橘類が有名ですが、国内産キウイフルーツも秋から春にかけて収穫期を迎えます。

 キウイフルーツは、猫が大好きなマタタビ科に属し、原産地は中国の揚子江沿岸とされ、かつてはチャイニーズ・グースベリーと呼ばれていました。今から100年ほど前に、中国を訪れたニュージーランドの女子高の女性校長が種子を持ち帰り、その後、品種改良を経て、本格的に生産されるようになったのだそうです。ちなみに、キウイフルーツの名は、ニュージーランドの国鳥キーウィに由来するのだとか。日本へは1960年代にデビューし、その栽培しやすさもあって、国内でも生産されるようになりました。

食べ比べてみたい!国内産の品種いろいろ

 国内産キウイフルーツの生産量ナンバー1は愛媛県で、福岡県、和歌山県と続きます。おなじみのグリーンキウイの多くは「ヘイワード」という品種で、国内産は11~5月頃、ニュージーランド産は5~12月頃に出回り、適度な甘味と酸味のバランスで愛されています。一方、糖度が高く、酸味が少ない「ゴールドキウイ」は、酸味が苦手な子どもたちからも人気で、近年、青果売り場でも定番になりました。
 国内産ではこの2種をはじめ、黄緑色の果肉の中心部が赤い「レインボーレッド」、リンゴのような形をした「アップルキウイ」、大きく甘い福岡県のオリジナル品種「甘うぃ」など、様々な品種があります。中でもオリジナル品種の育成が盛んなのが香川県です。濃緑色の果肉と俵型の形が特徴の「香緑(こうりょく)」、黄金色の果肉で世界最大級の大きさに育つ「さぬきゴールド」、種子周辺がリング状に赤くなる「さぬきエンジェルスイート」、ひと口サイズの「香粋(こうすい)」や「さぬきキウイっこ」など、多彩な品種が栽培されています。

ビタミン、ミネラル、食物繊維がたっぷり!

 風邪が心配な季節ですが、キウイフルーツには、免疫力アップに役立つビタミンCが69mgも含まれています。また、妊娠中や授乳期には特に大切な造血のビタミンと呼ばれる葉酸は36μg、体内の余分な塩分の排出を助けるカリウムは果物の中でもトップクラスの290mg、腸内環境を整える食物繊維は2.5gも含まれ、とても健康的な果物であることが分かります(以上、可食部100g当たりの含有量)。
 また、たんぱく質分解酵素アクチニジンが含まれていますので、肉料理などと一緒に食べると、消化を助けてくれる働きも期待できそうです。

食べ頃の見分け方&追熟テクニック!

 キウイフルーツが熟しているか、皮の色では見分けがつきません。完熟しているかどうか見分けるには、キウイフルーツを優しく手で包み込むように持ち、そっと触ってみて、かすかに軟らかな弾力を感じれば食べ頃です。まだ硬いと感じたら、室温で追熟させましょう。早く追熟させたいときは、りんごやバナナと一緒にポリ袋に入れ、室温で2~3日、待ってみてください。りんごやバナナが呼吸する際に出すエチレンという成分が、キウイの追熟を助けてくれます。


ヘルシーパフェ!キウイ&甘酒チアシード・プディング

 長く愛され続けているスーパーフード、糀甘酒とチアシード。この2つだけを使ったプディングに、キウイを組み合わせ、とてもヘルシーで手軽なデザートに仕上げました。混ぜて、冷やして、キウイを飾るだけの簡単レシピですので、ぜひお試しくださいね。

作り方(2個分)
  1. 糀甘酒200mlにチアシード大さじ2を加え、よく混ぜ合わせて、ひと晩、冷蔵庫に入れておきます。
  2. キウイ1個は皮をむき、中央部分を薄く4枚の輪切りにし、グラスの内側に2枚を貼るように押し付けます。
  3. 残りのキウイは厚さ2ミリの半円形にスライスし、まな板の上に少しずつずらして並べ、片方の端から巻くようにして、バラの花のように成形します。
  4. 2に1を入れ、上に3をのせ、中央にブルーベリーを飾ります。
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written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。