この野菜を添えるだけで、サラダもお弁当も春らしく仕上がるのが、今が旬のスナップエンドウです。
豆だけを食べるエンドウの歴史は古く、世界最古の豆とも呼ばれ、古代ギリシャの時代から栽培されていたそうで、日本へは8世紀頃に遣唐使により中国から伝えられました。やがて13世紀頃のフランスで早どりした若いさやを食べるようになり、日本でも江戸時代から、さやえんどうとして食べられるようになったといわれています。一方、未熟なエンドウの豆だけを食べるグリーンピースは実エンドウとも呼ばれ、こちらも春の食材として愛されています。
若いさやの食感を楽しむ、さやえんどう。特有の風味と甘みが魅力のグリーンピース。その両方の長所を生かし、1970年代にアメリカで作られたのが、このスナップエンドウです。
人気急上昇で生産量アップ!
豆が成長しても、さやが硬くならず、さやのシャキシャキとした食感と豆の甘みを同時に味わえるスナップエンドウ。そのおいしさから人気が急上昇し、農林水産省の統計によると、その収穫量は2000年には約830トンでしたが、2014年には約6921トンと、8倍以上に増えました。全国の生産量の4割以上を占める鹿児島県をはじめ、熊本県、愛知県などの温暖な地域で、3月から6月にかけて生産されています。つるあり、つるなし、寒さに強い早どりなどの種類があり、中でも「ニムラサラダスナップエンドウ」という品種が主流となっています。
美肌におすすめの成分が豊富!
スナップエンドウに含まれる栄養素の中で、特に注目したいのは、すぐれた抗酸化力で知られるビタミンCとベータカロテンです。メラニンの生成を妨げ、体の中から美肌を守る栄養素として知られるビタミンCは、可食部100gあたり43mgと、キャベツやトマトよりも豊富です。また、体内でビタミンAに変換され、粘膜や皮膚を健やかに保つ働きが期待されるベータカロテンも400μg含まれています。
おいしいスナップエンドウの選び方・保存法・下ごしらえのコツ!
全体が美しい緑色で、さやがふっくらとして張りがあり、豆が端まで詰まっていて、傷や変色がないものを選びます。ガクの部分まで鮮やかな緑色のものが新鮮です。
保存する場合は、乾燥しないようにポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室へ。鮮度が落ちてくると、張りがなくなり、シャキシャキとした食感が失われますので、購入後は早めに使い切りましょう。
調理の際は、さやの両側にある硬い筋を取り除きます。まずガクの反対の筋を爪の先でちぎるようにつまみ、ガクの方向へ引っぱります。ガクの手前でガクごと折り、そのまま折り返すように反対側の筋を引っ張ると、ラクに筋取りができます。
シャキシャキとした食感を生かすなら、ゆで時間は沸騰した湯で1分30秒を目安に。ゆで上がったら、冷水にさらすと、鮮やかな緑色に仕上がります。
スナップエンドウと相性のいいゆで卵をサラダに。シャキシャキの歯ごたえを、半熟ゆで卵の軟らかな食感が引き立てます。ゆで卵のゆで加減はお好みでどうぞ。
- スナップエンドウ20個は、筋を取り、沸騰した湯で1分半ゆで、冷水にとり、しっかりと水気をきり、2枚にはがしておきます。
- 半熟ゆで卵は縦1/4に、ミニトマトは半分に切ります。
- オリーブオイル大さじ1、レモン果汁小さじ2、粉チーズ小さじ2、塩こしょう少々で1と2を和え、器に盛ります。