取材ノート
第3回をむかえる全国えだまめ選手権
今年のえだまめNo.1は?

産地や品種をリレーして、初夏から秋まで旬を楽しめる野菜「えだまめ」。そのおいしさや栄養価から、海外でも“EDAMAME”として人気が高まりつつありますね。この夏も、『全国えだまめ選手権』が日本野菜ソムリエ協会にて開催されました。第3回をむかえる今年は全国各地から26品のえだまめがエントリー。20名の野菜ソムリエたちが評価員となり、商品名や産地・生産者情報などがすべて伏せられたブラインドでの食味審査が行われました。

 

審査会場に着くとふんわりとえだまめの香り。次々と審査用のえだまめが配布されているところでした。

 

※調理スタッフ提供画像

バックヤードでは26品のえだまめが個別に茹でられています。えだまめの茹で時間はお湯から3分半を基本とし、野菜ソムリエプロの資格を持つ準備スタッフがまだ硬いと感じた場合はプラス30秒加熱とのこと。

 

茹であげたえだまめはナンバリングされた小皿に2莢ずつ小分けして配布されます。番号を間違えないよう、静かに集中しながらも手際よく準備していました。

 

さて、そろそろ審査が始まる時間です。会場のトマト教室をのぞいてみましょう。

 

今回の食味審査は一人で26品すべてを評価します。自分たちの評価が売り上げに影響することを考えると、ひとつひとつのえだまめと真剣に向き合わざるを得ません。会場にはコメントを書くペンの音だけが響いていました。

 

もうひとつの会場であるレタス教室へ移動し、私も食味審査に取りかかります。

 

最初に行うのは味覚チェックです。とても薄い味付けの甘味、塩味、酸味、無味の水溶液を判別します。体調不良のほか、刺激物や濃い味付けの飲食なども味覚を鈍らせる要因になるため、評価員をする時は数日前から気をつけて過ごしています。

 

本日評価するえだまめです。ぱっと見は似たような外観が並んでいますが、食味はどうでしょう。

 

公平を期すため、付箋が貼ってある番号から食味審査を始めるルールです。私の席では、付箋は1番に貼ってありました。早速、莢をひとつ手にとって食べてみます。やわらかな甘みとコクが口の中に広がります。茶豆のような風味豊かな香りもしました。一品目から、かなり好きなタイプの味わいです。逆にこれ以降の評価が難しくなりそうな予感。

 

順番に食べ進め、それぞれに1〜10点の評価とコメントを記入していきます。予想通り、甲乙つけ難いおいしさが続きます。しかし、最終的に一番おいしいと感じたえだまめもひとつだけ選ばなければなりません。6つまで絞ったものの、そこから先が選べない・・・。おかわりをいただいて、個人的最終決戦をすることに。悩みに悩んだあげく、おかわりも含めて味がもっとも安定していた(個体差がなかった)番号のえだまめに決定しました。

 

ブラインドの食味審査を終えて会場を出ると、それぞれの商品名や産地が公開されていました。評価員の野菜ソムリエたちは生産者情報などが書かれた資料をチェックしながら、楽しそうに意見交換をしていました。

 

審査結果は以下の通りです!
※敬称略(販売時の商品名/出品農家・団体名/生産地)

最高金賞
「つまりちゃまめ」
株式会社柳農産

(新潟県妻有地域⦅十日町市・津南町⦆)

<評価員のコメント>

・強い甘みと爽やかな後味で、また食べたくなる味
・後味までじわっと残る甘さとうまみ。ホクホクした食感も特徴的
・緑色が濃く、豆の粒が大きめ。噛み応えがあり甘みとうまみが強い

<生産者のこだわりポイント>

苗場高原のふもとに位置する新潟県十日町市・津南町(つなんまち)。日本有数の豪雪地で育った茶豆です。とうもろこしを思わせる、甘さが特徴の茶豆です。ゆでる際の香りも楽しめます。

※第1回全国えだまめ選手権でも最高金賞を受賞
https://www.vege-fru.com/doc/news/22/2022_edamame_cp.pdf (第1回結果ページ)

<お問い合わせ>

・メール:info@tsumari-chamame.com
・購入先(ECサイト):https://tsumari-chamame.com

 

金賞以降は下記リンクからご確認ください。

https://vege-fru.com/event/summit/2024/aug/

 

ご出品いただいた生産者の皆様、ありがとうございました!

■全国青果物選手権HP:

https://www.vege-fru.com/event/seika/

photo
written by

タナカトウコ

/取材・文・撮影

野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。

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