皆さんはどんな年末年始をお過ごしでしたか。ごちそう続きのクリスマスやお正月は、ついつい野菜や果物が不足しがち。今こそ冬が旬の果物でビタミンチャージしましょう。冬を代表する果物といえば、りんごです。バラ科リンゴ属に分類され、原産地はヨーロッパ南西部のコーカサス地方から西アジアの天山山脈にかけてとされています。
その歴史はとても古く、スイスの湖棲民族の遺跡から炭化した小さなりんごが出土していて、ヨーロッパでは紀元前2000年よりも前からりんごを食べていたと推測され、「人が食べた最古の果物」とも呼ばれています。日本での栽培の歴史は、1871年(明治4年)、開拓次官の黒田清隆氏はアメリカから苗木を購入し、東京の青山官園に75種のりんごを植えたのが始まりなのだとか。その3年後から内務省勧業寮が苗木の全国配布を始め、各地で試作が始まりました。
りんごといえば秋が旬という印象もありますが、りんご王国と称される青森県では、他の産地の出荷が少なくなる1月から3月にかけて出荷のピークを迎えます。農林水産省の令和5年産の作況調査によると、国内産の6割以上を占めるのが青森県で、収穫量は374,000トンです。2位の長野県は106,900トン、3位の岩手県は31,600トン、4位の山形県は30,300トン、5位の福島県は18,500トンと続きます。
りんごの種類いろいろ
世界で約15,000種、日本だけでも約2,000種あります。2023年次の農林水産省の統計によると、国産生産量の半分近くを占めているのが「ふじ」で、約1割を占めているのが「王林」と「つがる」、次いで「ジョナゴールド」となっています。味や食感で選ぶとしたら、酸味控えめで甘さ優先なら「王林」や「星の金貨」、酸味しっかり派なら「紅玉」や「ジョナゴールド」、軟らかい食感が好きなら「サンつがる」、硬めの食感がお好みなら「陸奥」がおすすめです。
また、名前の最初に「サン」が付くものは、袋をかけずに栽培したもので、太陽光をしっかりと浴びて育つため、甘味が増すといわれています。ちなみに、国産でもっとも大きな品種は1玉で1kgを越えるものもある「世界一」。もっとも小さい品種は1玉25~50gほどしかない、りんご飴でおなじみの「アルプス乙女」です。
りんごの栄養学
「りんごが赤くなると医者が青くなる」「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」ということわざがあるほど、栄養価にすぐれたりんご。皮つきの生のりんご100gあたりの栄養価をチェックしてみると、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けるカリウムは120mg、腸内環境を整える働きで知られる食物繊維は1.9g含まれています。特に皮には抗酸化作用にすぐれたポリフェノールが豊富に含まれています。りんごポリフェノールには、紫外線が引き起こす皮膚のしわ、たるみ、乾燥などの光老化を抑制する効果があるという研究結果が、第10回日本抗加齢医学会総会で発表され、優秀演題賞を受賞しています。りんごを食べる際は、皮をむいて捨てたりせずに、ぜひ皮ごと食べましょう。
りんごの選び方・保存法・調理のポイント!
色つやがよく、全体的に赤く、お尻まで赤く色づき、ツルが太く、お尻やツルの付け根が深くくぼんでいて変形がないものを選びます。
保存の際は、水分の蒸発を防ぐため、薄いポリ袋に入れて密封して冷蔵庫へ。長く保存するなら、新聞紙で包んでから薄いポリ袋に入れて密封し、冷蔵します。常温の場合は、新聞紙などで包み、温度変化の少ない冷暗所で保存します。
りんごは10℃前後に冷やすと、甘味が増して美味しく感じます。また、りんごを切ると断面が茶色っぽく変色してきますが、これはりんごに含まれるポリフェノールが酸化して起こります。変色を防ぐためには、りんごの味を損ねない程度の濃さの塩水やレモン水に浸けましょう。
ニューヨークのウォルドーフアストリアホテルが発祥といわれるサラダです。りんごの風味と食感を爽やかなセロリの香りが引き立て、レーズンとくるみがいいアクセントになっています。グリルしたチキンをカットして加えると、ボリューム感のある一皿に仕上がります。

材料(2人分)
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りんご(中) |
1玉 |
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セロリ |
1本 |
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フリルレタスの葉 |
4枚 |
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レーズン |
50g |
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くるみ |
50g |
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マヨネーズ |
大さじ3〜4 |
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プレーンヨーグルト |
大さじ4 |
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レモン果汁 |
大さじ2 |
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塩 |
小さじ1/2 |
● |
こしょう |
少々 |
作り方
- りんごは縦8等分に切り、芯を取り除いて薄切りにします。セロリは薄い小口切りにします。レーズンはお湯でふやかしてから、しっかりと水気をきります。くるみは粗く刻み、フライパンで乾煎りします。
- ボウルに①をすべて入れ、調味料をすべて加えて全体をよく混ぜます。
- フリルレタスの葉をちぎって器に敷き、②を盛りつけます。