2016年9月28日UP
厳しい残暑で食が進まないこの時期に、特有の香りと辛みで食欲をそそってくれるのが、しょうがです。ショウガ科ショウガ属に分類され、熱帯アジア原産で、インドや中国では紀元前から利用されていたのだとか。日本へは3世紀頃に中国から伝来し、古事記にもその名が記されています。江戸時代には東京の谷中が名産地だったそうで、今もなお葉しょうがに「谷中しょうが」の名が残っています。収穫量ナンバー1は高知県で、熊本県、宮崎県、和歌山県などが続きます。
新しょうがの旬は夏の盛りの6~8月。葉しょうがは6~7月に旬を迎えます。おなじみの根しょうがの旬は秋口の9~11月。はじかみとも呼ばれる矢しょうがは、1~2月に茎の紅色が最も濃く、4~7月が最盛期となります。また、一般的に野菜売り場に並ぶのは、1株で1㎏前後にまで育つ大しょうがで、漬物などに使われる中しょうが、早生の小しょうがの3つに大別されます。
しょうがの栄養価の中で、近年、注目されているのが、辛味成分の一種であるジンゲロールで、加熱・乾燥によりショウガオールへと変化します。これらの成分は、血行を促し、体を温める作用があり、冷え性の方には特におすすめです。また、香り成分ジンギベレンやシトロネラールには消臭や食欲増進の効果が期待されます。
購入の際は、切り口が新鮮で、しなびていないものを選びます。保存の際は、乾燥を防ぐため、ポリ袋などに入れて、冷蔵庫の野菜室へ。使い切れないときは、すりおろし、千切り、みじん切りなどにして、ポリ袋などに入れて密封し、スティック状にして冷凍しておくと、必要な分だけポキッと折って使えるので便利です。
しょうががたくさん手に入ったら、ぜひジンジャージャムに。パンやクラッカーに塗るほか、紅茶やスムージーに加えたり、肉料理やチーズに添えたり、豚肉や鶏肉のしょうが焼きなどの際に調味料としても使えます。
作り方
すりおろしたしょうが50gを鍋に入れ、砂糖またはハチミツ50gを加えてよく混ぜ、弱めの中火で焦げないように木べらで混ぜながら煮詰めます。お好みでレモン果汁を少々加えても。
文/写真:野菜ソムリエ 堀基子