仕事や家事・育児に追われて忙しい毎日を過ごしている現代女性たちが手軽においしく野菜果物を摂れるようなものをつくりたい。そんな発想から生み出されたのが、日本野菜ソムリエ協会監修「&フルーツベジタブル 果実と野菜のスムージーゼリー」シリーズです。開発を担当されたのは野菜ソムリエプロの資格を保有する森永乳業の横内直子さん。商品開発にこめた思いをお聞きしてきました。
「&フルーツベジタブル 果実と野菜のスムージーゼリー」を開発することになった経緯を教えてください。
会社では新商品の開発をする部署に所属しています。フルーツヨーグルトの担当だった時に、仕事の役に立てようと野菜ソムリエプロを目指しましたが、資格取得後すぐに異動となってしまいました。それから数年後、今度はデザート部門の担当になりました。デザートならゼリーもあるし、野菜ソムリエの資格をいかした商品開発ができるのではと思ったのが元々のきっかけです。
この頃、私は2人目を出産して職場復帰した後でした。仕事、家事、育児と、本当に毎日が目まぐるしく、自分のために食事を用意する余裕はありません。家族のために食品選びに気をつけて健康を維持しなければと思うものの、野菜果物が満足いくレベルで摂取できていないことが悩みでした。そして世の中には私と同じように悩んでいる方もいるのではと思い立ち、開発に着手しました。
商品開発においてこだわった点はありますか?
最もこだわったのは、砂糖・人工甘味料・保存料を使わずになるべくナチュラルな素材でつくるということです。そして素材の色や味わいをいかすことにも重点をおきました。
容器のデザインには飲み終わると葉っぱのマークが現れる仕掛けもしました。ちょっとしたことですが、心和む時間を提供できたらなとの思いをこめています。
YELLOWとGREENの2種類があるのですね。
「YELLOW」は、4種の果物(りんご、ぶどう、オレンジ、レモン)と 21 種の野菜(にんじん、ほうれん草、アスパラガス、赤ピーマン、小松菜、クレソン、かぼちゃ、紫キャベツ、ブロッコリー、メキャベツ(プチヴェール)、ビート、赤ジソ、セロリ、レタス、はくさい、ケール、パセリ、なす、たまねぎ、だいこん、キャベツ)をミックス。すりおろしリンゴのようなざらざらした食感に仕上げました。
「GREEN」は、3 種の果物(りんご、ぶどう、キウイフルーツ)と 8 種の野菜(さつまいも、セロリ、パセリ、クレソン、キャベツ、ラディッシュ、ほうれん草、みつば)をミックス。キウイシードのプチプチした食感を楽しんでいただけます。
野菜ソムリエプロの知識はどのようにいかしましたか?
野菜ソムリエプロ資格を取得時に、食べ比べ企画などで同じ品目でも品種ごとに特性が違うことを学びました。原料を選ぶ際はそういったことも踏まえつつ、可能な範囲で品種や産地を吟味しました。他にプレゼンテーションのスキルなども商品化においては役立ちましたね。
開発段階で苦労したことはありますか?
中身が見えるよう透明容器にしたのですが、保存料を使わないせいで、光劣化による退色の問題が起こりました。そこで劣化から守る特殊なフィルムで容器をつくってもらいましたが、それでも食材によっては退色が発生しました。なるべく劣化しにくい食材を選ぶこと、また食材それぞれの味がいきるブレンドにも苦心しました。
食物せんいやキウイの種が、充填のラインで詰まってしまう問題も起こりましたね。ゼリーの食べごたえ感を残しても詰まらないという配合バランスを見つけることも大変でした。それからこの商品は120日の賞味期限設定のため、検証期間を考慮すると開発期間がかなり短かったんです。発売時期は決まっているのに、開発は難航・・・。「本当にやるの?」と言われた日もあったほどでした。
逆に楽しかったことはありますか?
リサーチの段階で、市販の野菜飲料50品飲み比べしたことは楽しかったですね。様々な発見と学びがありました。
それから、新しいタイプの容器を採用していたこともあり、どんな商品ができるかとワクワクしたことも楽しかったことのひとつですね。包材をはじめ、何もかも新しい取り組みだったので手探りではありましたが、やりがいはありました。研究員が徹夜で作業してくれた日もあり、ひとつずつ問題が解決して、なんとか思った通りの商品が完成して嬉しかったです。
どんなシーンで楽しんでもらいたいですか?
この商品は、移動中など、ちょっとしたスキマ時間でも食べられるよう、リキャップできて、飲み終わった後はくるくると丸めたらバッグの中でかさばらない仕様になっています。忙しくて時間に余裕がない方、特に家族優先で自分の食事がおろそかになりがちなワーキングママたちに、ヘルシーなおやつとして楽しんでもらえたらと思います。このまま冷凍すれば、夏場はお弁当の保冷剤も兼ねた活用ができますよ。
「&フルーツベジタブル 果実と野菜のスムージーゼリー」で、不足しがちな野菜果物を手軽に摂れれば、きっとからだにいいことをした気分になれます。「小腹のスキマ」だけでなく、「心のスキマ」をも満たせるのではないでしょうか。
取材協力・画像提供:森永乳業株式会社
https://www.morinagamilk.co.jp/customer/
タナカトウコ
/取材・文・人物撮影
野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。
ホームページ http://urahara-geidai.net/prof/tanaka/
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