2023年4月5日、調味料の魅力を社会に広めるイベント『調味料選手権』の特別企画・第2弾として、『第1回パンのおとも選手権』が日本野菜ソムリエ協会で開催されました。
みなさんは「パンのおとも」と聞いて、何をイメージするでしょうか? 筆者が思い浮かべていたのは、フルーツ系のジャム。しかし審査会場に着くと、なるほどその手もあったか!と、いい意味で想像の上をいく意外な商品も並んでいました。
全国からエントリーされた商品は50品。一部と二部で25品ずつに分けて審査が行われます。評価員は、野菜ソムリエや調味料ソムリエの他、バイヤー、シェフなど、食の専門家たちで構成され、それぞれの商品を食味・商品背景・パッケージ・価格などで総合的に採点していきます。その集計結果で各賞が決められていきます。
エントランスには、特別企画・第1弾『ドレッシング選手権』で上位に入賞した商品も並べられていました。今回の『パンのおとも選手権』も含めた受賞商品の販売会が4月13日〜19日まで行われるようです。
さて、そろそろ審査が始まる時間です。評価員はまず味覚チェックを行います。A〜Dのカップには、うっすらと甘味・酸味・塩味に味付けされた水と、無味の水。それぞれの味を判別して、紙に記入して提出します。無味でも水の味はするので、やや難しく感じました。
潜入したのは二部。26番から50番までを審査させてもらいました。食味審査は付箋が貼られている番号から始めます。これは食味審査に公平を記すための工夫です。評価員ごとに異なる番号へ付箋が貼られていて、私は45番からの試食スタートでした。
45番は、なんとワサビベースの商品。鰹節やしろ醤油で味付けされたものでした。次の46番はさつまいもジャム、47番はパセリが主役のオイル系商品、48番は糀チョコ、49番はみかんジャム、50番は大根葉のジェノベーゼ風ソースと続きます。なんてバラエティ豊かなラインナップなのでしょう。あ、感心している場合ではありません。審査を進めないと! プラカップの中のおともを少し味わい、次に用意された食パンにのせて味わってみます。単品で試食した時と、パンと合わせて試食した時では、やや違った印象が感じられました。今回のテーマは「パンのおとも」ですから、パンと合わせた時の食味で採点をします。手元に配布された紙の資料で商品背景や価格を確認し、パッケージは前方に展示された商品見本をチェックして評価していきました。
どの商品も素晴らしいものばかりでしたが、第二部の審査で個人的に好みだったのは以下です。
審査終了後、第一部で審査された分の商品も取材させていただきました。その中で気になったのは、いちじくの品種ビオレソリエスを原料にしたジャム「四季の黒いちじく」、二層仕立てになっている「TOY JAM ラズベリー&ピスタチオ」、クリーム状になった塗れるマシュマロ「ぬりまろ」、複数のピーナッツペーストの中でもっとも好みの味だった「千葉県産Qなっつの香ばしピーナッツペースト」でした。
そして、翌日。受賞商品が発表になりました。
以降の受賞商品は、
・金賞「ミルクジャムロイヤルミルクティー(山形県)」
・銀賞「吹屋のゆずニャーニャレード(岡山県)」
・銅賞「サクサクしょうゆアーモンド(東京都)」
・ベストスウィート賞「きゃろめるばたぁ(徳島県)」
・ベストフルーツ賞「寿太郎みかん mitu ジャム(静岡県)」
・ベストオイル賞「多具里しらすのジェノベーゼ(静岡県)」
・地域の味ベスト賞
「今日ジャム 北海道ハスカップ(北海道)」
「梨コンポート(栃木県)」
「牛乳フォンデュ(長野県)」
「幸せを呼ぶコンフィチュールYuko(東京都/長崎県)」
「青い山脈のコンフィチュール-くり-(岐阜県)」
「万願寺とうがらしデップ 辛味無(京都府)」
「KAKIHAミルクジャム(奈良県)」
「広島菜りんごジャム(広島県)」
・入賞
「ビーガン チョコレートソース(千葉県)」
「トースト専用はちみつ 雪白(岐阜県)」
「塗って楽しむあんバター(静岡県)」
なお、最高金賞から銅賞までの4商品は
下記サイトで購入が可能とのことです(期間限定)
タナカトウコ
/取材・文・撮影
野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。
インスタグラム toko_tanaka