取材ノート
初開催の全国トウモロコシ選手権
今もっともおいしい「トウモロコシ」は?

2024年6月、日本野菜ソムリエ協会にて『第1回全国トウモロコシ選手権』が開催されました。全国各地から味自慢のトウモロコシ25品が集結。30名の野菜ソムリエたちが評価員となり、商品名や産地・生産者情報などがすべて伏せられたブラインドでの食味審査にて各賞を決定しました。

 

バックヤードでは、加熱して半月状にカットされたトウモロコシが配布用の小皿に2個ずつ載せられていました。トウモロコシの上部と下部の両方が行き渡るようセットしているとのこと。審査の公平性を保つための工夫です。

 

食味審査は一人で25品チェックするのではなく、エントリーナンバー1〜13はグループA、14〜25はグループBの二手に分かれて行われました。私はグループAの食味審査を担当。

 

食味審査用のトウモロコシは生の状態で会場に届いています。蒸し器または電子レンジの二択から、出品者が指定した方法でそれぞれ加熱が施されていました。電子レンジが指定されているものは、加熱ムラが出ないよう1本ずつ加熱を行ったとのこと。準備スタッフの皆さん、お疲れ様でした!

 

さて、今回もまずは味覚テストから。薄い味付けの甘味、塩味、酸味、無味の水溶液を判別します。無味(味付けなし)でも水の味があるため、体調によっては繊細な味の判別が難しいことも。

 

付箋が貼ってある番号から食味審査を始めるルールにつき、4番から試食します。バイカラーの品種で、薄皮がやわらかいのが印象的。個人的には非常に好みのタイプです。糖度は程よく、非常にみずみずしいトウモロコシでした。

 

次は5番、白色品種です。野菜というよりもスイーツのカテゴリーと言っていいのでは?と思うほどの強烈な甘みを感じました。6番は再びバイカラー。エグみは無くコクのある甘みが印象に残りました。7番は黄色品種で、8番は白色品種。いずれも味わい深いのですが、同じ色の系統でも品種や作り手によって少しずつ食味が異なっています。

これまでの青果物選手権での入賞が生産者さんの売上に影響を及ぼしていることを考えると、評価することの責任を感じます。評価員の野菜ソムリエたちも静かに集中して食味審査を進めていました。

 

審査終了後、廊下に並ぶピチピチのトウモロコシたちと対面。商品名や産地、生産者情報などが書かれた資料と照合しながら、生産者さんたちに思いをめぐらせました。

 

 

審査結果は以下の通りです!
※敬称略(販売時の商品名/出品農家・団体名/生産地)

最高金賞
「生でも食べられる白いトウモロコシ」
小川農園

(東京都町田市及び神奈川県厚木市)

<評価員のコメント>

・香りはほのかに甘く、かじるとしっかりと甘い!粒も大きく食べ応えあり!
・フルーツのような甘さと口の中でいつまでも続くコクがあり、うまい状態が続く
・実がもっちりとして適度な水分量。甘みと香りのバランスが良く、たくさん食べても飽きないおいしさ

<生産者のこだわりポイント>

ひと口食べたら、口の中で広がる上品で濃厚なうまみ、おいしさが楽しめます。白トウモロコシのポテンシャルを最大限生かすために、地域の気候を考慮しそれに合わせた土づくり、当農園でしか食べられない、その時、その時一番おいしいトウモロコシを、ぜひ、あなたへ!ご賞味ください。

<購入先:ファームドゥ あざみ野マルシェ店>

https://www.azamino-gardens.jp/shopguide/index.html#farmdo

 

金賞以降は下記リンクからご確認ください。

https://vege-fru.com/event/summit/2024/jun/

 

ご出品いただいた生産者の皆様、ありがとうございました!

■全国青果物選手権HP:

https://www.vege-fru.com/event/seika/

photo
written by

タナカトウコ

/取材・文・撮影

野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。

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