八百屋さんの店頭に梨が並びはじめると、秋の到来を実感しますね。2024年9月、今年もまた全国梨選手権が日本野菜ソムリエ協会にて開催されました。第3回となる今回は全国各地から集まった梨が26品。野菜ソムリエたちが評価員となり、商品名や産地・生産者情報などがすべて伏せられたブラインドでの食味審査を行いました。
八百屋さんの店頭に梨が並びはじめると、秋の到来を実感しますね。2024年9月、今年もまた全国梨選手権が日本野菜ソムリエ協会にて開催されました。第3回となる今回は全国各地から集まった梨が26品。野菜ソムリエたちが評価員となり、商品名や産地・生産者情報などがすべて伏せられたブラインドでの食味審査を行いました。
今回も準備室をのぞいてみましょう。
そろそろ審査が始まる時間になりました。私も会場に入ります。
審査に関する説明を受けた後、まず行うのは味覚識別テストです。とても薄く味付けされた水溶液の、甘味・塩味・酸味・無味を判別します。青果物の繊細な味を評価するには、味覚を研ぎ澄ます必要があります。評価員を担う野菜ソムリエたちは、味覚が鈍らないよう体調に気をつけ、強い味の飲食物の摂取も数日前から控えるよう心がけています。
審査はトマト教室とレタス教室の2会場で開催されました。
こちらはレタス教室の様子。評価員たちは皆、静かに梨たちと向き合っています。
今回の食味審査は、A班とB班に分かれて26品のうち半量ずつを評価します。私の席には14番〜26番のB班の梨がスタンバイしていました。8等分の梨が13品で、1個半も食べることになります。これは、途中でおなかいっぱいにならないよう、ペース配分も考えなければなりません。
付箋が貼ってある番号から食味審査を始めるルールは、審査の公平を期すための工夫です。私の席では、14番に貼ってありました。ブラインド審査ですから情報は皆無。目の前にある梨をただひたすら試食して、点数とコメントを書いていきます。14番に感じた印象は、やわらかな甘みと穏やかな酸味、食感はやや硬めでザラザラ感が強め。果汁は多く食べやすさがある。総合得点は10点中の8点。個人的には高評価の食味でした。次も、その次も、若干異なる個性を感じつつも味わい深い梨が続きます。
13品すべてに評価点とコメントをつけた後、最後に「いちばんおいしいと感じた梨」を選んで記入します。どの梨も平均以上のおいしさがありましたが、今回の選手権では頭ひとつ飛び抜けた味わいを感じた梨がありました。(結果的にはその梨が最高金賞に輝いていました)
ブラインドの食味審査を終えて会場を出ると、26品の梨がずらり。
こちらはA班、エントリーナンバー1〜13の梨。
こちらはB班、エントリーナンバー14〜26の梨。
評価員をつとめた野菜ソムリエたちは、展示の梨を手に取りながら、ボードに貼られていた情報と照合し、「○番は△△の梨だったんだ〜」「みんなはどの梨を一番にした?」「あまりん(いちご)に続いて、彩玉(梨)も!最近の埼玉すごくない?」「すごいのよwww(ドヤ顔の埼玉県の野菜ソムリエさん)」など、会話が弾んでいました。
野菜ソムリエプロの資格を取得したばかりのOさん(写真右)は、評価員初挑戦とのこと。千葉県の方と聞いて、野菜ソムリエコミュニティちば代表の山根さん(写真左)が温かくサポートされていました。お二人とも野菜ソムリエスタイルがよくお似合いです。
さて、審査結果は如何に?
審査結果は以下の通りです!
※敬称略(販売時の商品名/出品農家・団体名/生産地)
・食べ応えのあるサイズ感(大きい)。甘み、酸味もしっかりあり濃厚ながらも清涼感がある
・甘さが強く、噛むたびに梨汁が感じられ、食感も良くとてもおいしかった
・口に入れた瞬間「美味」と感じる。果汁が舌に触れただけで甘い
埼玉県のオリジナル品種です。糖度が高く大きな梨です。
■全国青果物選手権HP:
タナカトウコ
/取材・文・撮影
野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。
インスタグラム toko_tanaka