2024年10月末に開催された「第3回全国りんご選手権」。長く続いた猛暑の影響が心配されているなか、各産地からは高品質に仕上げられたりんごが集まりました。生産者のみなさまには本当に頭が下がる思いです。今回の審査もまた、野菜ソムリエたちが評価員となり、商品名や産地・生産者情報などがすべて伏せられたブラインドでの食味評価を行いました。
2024年10月末に開催された「第3回全国りんご選手権」。長く続いた猛暑の影響が心配されているなか、各産地からは高品質に仕上げられたりんごが集まりました。生産者のみなさまには本当に頭が下がる思いです。今回の審査もまた、野菜ソムリエたちが評価員となり、商品名や産地・生産者情報などがすべて伏せられたブラインドでの食味評価を行いました。
味に影響するため、変色予防の塩水やレモン水などは使うことができません。審査用のりんごは直前にカットされ、番号を間違えないよう注意深く配布されています。準備スタッフのみなさん、お疲れ様です。
評価員の野菜ソムリエたちも入場。審査開始までの時間は、写真を撮ったり、外観を観察したり、評価用紙を確認したり、それぞれに過ごしていました。
さぁ、審査開始です。今回は全エントリーの20品を食味評価。途中でおなかいっぱいにならないよう、ペース配分を意識しなければなりません。
赤、黄色、グリーン。濃淡があったり、斑点があったり。果皮を見比べるだけでも、りんごのバリエーションの豊かさを実感します。
公平を期すために、それぞれ異なる位置に貼られた付箋の番号から食味審査を始めます。私は9番から、右隣の方は1番から、左隣の方は20番から。
はちみつのようなコクととろみを感じる甘み。酸味はしっかり。ほどよいシャキシャキ食感と、ミルキーな香り。個人的には1個目から高得点です。
1/8カットの半分ずつを試食して一巡。りんご1個分ちょっと食べたことになります。だいぶ満腹になってきました。全体を通して感じたのは、糖度も酸度も高く、硬めのりんごが多かった印象です。すべてに評価点とコメントを書いた後は、いよいよ「いちばんおいしいと感じたりんご」を選ばなければなりません。残りのりんごを試食しながら絞っていきますが、どのりんごも味わい深く、ひとつに決めるのは至難の業でした。
審査終了後は、品種(商品名)、産地、生産者情報が公開されます。今回のエントリーでは、個人的には黄色系品種に好みの食味のものが多かったように思います。
審査結果は以下の通りです!
※敬称略(販売時の商品名/出品農家・団体名/生産地)
・淡い黄色にほんのりの紅色が差した優しい見た目に加え、甘さのインパクト
・甘さが長く口の中に残り、酸味が強くないのに味が濃い。食べやすい味わい
・かすかな酸味に支えられ、甘みをしっかりと感じます。香りがとても良いのでいつまでも口に含んでいたくなる。好きな香りです。余韻まで楽しめます
当園は気温差のある山地の利点を生かし、昔ながらの食味重視の丸葉栽培でりんご作りをしています。名月はスイーツのような甘みと馥郁とした香りが好評頂いております。うまみをしっかり蓄えるため、「サンふじ」の後まで収穫せず完熟させます。そのため市場出荷より、本来のおいしさを楽しんでもらえる産地直送を主としています。
■全国青果物選手権HP:
タナカトウコ
/取材・文・撮影
野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。
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