2015年8月5日UP
暑さの余り、食欲が減退しがちなこの季節は、みょうがやショウガなど香辛野菜の出番です。中でも爽やかな「しそ」の香りは、食卓に涼風をもたらしてくれます。「しそ」は中央アジアや地中海沿岸が原産といわれ、国内では約4割が愛知県、続く静岡県や大分県をはじめ、全国各地で生産されています。
大葉の名でも親しまれている青じそは年間を通じて店頭に並んでいますが、本来の旬は7月から10月。一方、梅干しなどに用いられる赤じそは6月から8月に収穫期を迎えます。葉だけではなく、穂じそや花穂じそは刺身などのつまに、しその実は佃煮や塩漬け、しそ油の原料などに使われます。
栄養面では、βーカロテンをはじめビタミンEやK、カルシウムなどが豊富に含まれており、夏バテしがちな今の時期にはぜひ積極的に食べたい野菜のひとつです。
保存の際は、葉に付かない程度の少量の水を入れたグラスに、軸を下にして立て、ラップをかけて冷蔵庫へ。水を毎日取り換えれば1週間ほど保存できます。
しそ特有の香りは、ペリルアルデヒドという成分によるもの。この防腐成分には防腐作用があり、古くから生魚に添えて使われてきたのも、先人たちの知恵なのでしょう。漁師さんが船上で作ったという房総の伝統料理「なめろう」にも青じそがたっぷり。アジやイワシが定番ですが、今回は鯛を使いました。お好きな魚で作ってみてくださいね。
作り方
青じそ2枚としょうが1片は粗みじんに切り、鯛の刺身70g、みそ小さじ1とともに、まな板の上で包丁でたたくようにして刻む。全体をよく混ぜ合わせたら、青じそを敷いた器に盛る。好みで、長ねぎ、みょうが、白すりごまなどを加えても。
文/写真:野菜ソムリエ 堀基子