菜果図録
20日で育つ家庭菜園の人気野菜 ラディッシュ

2016年5月11日UP
 愛らしい色と姿で食卓を彩ってくれるラディッシュは、春から秋にかけて収穫期を迎えます。直径2センチほどの丸い形はかぶの仲間のように見えますが、実は大根の仲間で、葉の形も大根とそっくりです。栄養面でも大根と同様に、ビタミンCやでんぷん分解酵素のジアスターゼが豊富で、葉には特にベータカロテンやカルシウム、カリウムなどが多く含まれています。また、特有の赤い色は、抗酸化力にすぐれたポリフェノールの一種であるアントシアニンという色素によるものです。

 ラディッシュは「二十日大根」の名でも呼ばれる通り、芽が出てから20日ほどで収穫でき、プランターでも簡単に栽培できるため、ベランダ菜園の野菜としても人気です。定番の赤丸の「コメット」、紅色の表皮で根の先だけが白い長卵型の「フレンチ・ブレックファスト」、ミニ大根のような白長の「アイシクル」など、様々な品種があります。

 新鮮なほど美味なので、購入後はできるだけ早く食べたい野菜ですが、保存する場合は、根の栄養が葉の成長に使われてしまわないように葉を切り落とし、葉と根をそれぞれ別に、湿らせたキッチンペーパーなどで包んでから、ポリ袋などに入れて冷蔵を。爽やかな風味と辛み、シャキシャキとした食感を楽しむなら、ぜひ生のまま味わいましょう。葉も柔らかなので生食がおすすめです。

ラディッシュのバーニャカウダ

ラディッシュのバーニャカウダ

 たとえば、ラディッシュを丸ごとソースに浸して楽しむバーニャカウダ。今回はクレソン、パプリカ、セロリを添えましたが、お好きな季節の野菜でお楽しみくださいね。

作り方
にんにく1片は薄皮をむき、小さな耐熱容器に入れ、浸る程度に牛乳を注ぎます。ラップをかけて電子レンジで加熱し、にんにくが柔らかくなったら取り出して小鍋に入れ、オリーブオイル大さじ3、アンチョビ2枚、塩こしょう少々を加え、材料をフォークでつぶしながら弱火で温めます。食べやすい大きさに切った季節の野菜に、熱々のソースを添えて。

文/写真:野菜ソムリエ 堀基子