2016年6月8日UP
東南アジア原産のバナナは、バショウ科に属するトロピカルフルーツ。年間100万トン近くが輸入され、その80%以上をフィリピン産が占めています。フィリピンバナナのほとんどはジャイアント・キャベンディッシュという品種で、皮が厚く、日持ちがよく、高地で栽培されたものは高原バナナと呼ばれ、とくに甘みや栄養価にすぐれているといわれています。モンキーバナナの名でも知られる小型バナナのセニョリータ、赤身がかった果皮のモラード、リンゴのような酸味があるバナップル、昭和初期から中期に人気を博した台湾バナナの北蕉(ほくしょう)や近年増えてきた仙人蕉(せんにんしょう)など、種類は意外と豊富です。実は国内でも、出荷量は約110トンほどですが、沖縄県、鹿児島県、宮崎県などで生産されています。中でも沖縄県産の島バナナは、6月から10月が旬。ほぼ沖縄県内のみで消費されているのですが、おなじみのバナナの半分ほどのサイズで、甘みに加え、ほどよい酸味があり、地元ではもちろん観光客からも人気を集めています。
最近、ニュースなどで報道されているように、フィリピン産のキャベンディッシュ種がカビの一種である病原菌に侵される「新パナマ病」に脅かされており、この病気に強い品種の開発に大きな期待が寄せられています。
バナナの栄養価といえば、すぐれたエネルギーとなる炭水化物と、長時間の運動などによる筋肉の痙攣を防ぐとともに、余分な塩分の排出を助けてくれるカリウムが豊富であること。マラソンなどアスリートの栄養補給にバナナが愛用されているのも、うなずけます。また、腸内の善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖が豊富なので、ヨーグルトと一緒に食べれば、腸内環境を整えてくれる効果が期待できます。
保存する際は、房のまま吊るしておくのがオススメですが、熟してしまったら、皮をむいて1本ずつラップで包み、冷凍保存を。そのままスムージーなどに活用できて便利です。
オリゴ糖と食物繊維たっぷりのバナナ、食物繊維が豊富なチアシード、善玉菌の宝庫プレーンヨーグルトは、腸内環境を整えてくれる最強トリオです。
作り方
プレーンヨーグルト100gにチアシード大さじ1を加えてよく混ぜ、冷蔵庫で12時間ほど置いてから、ひと口大に切ったバナナ1/2本を加えます。お好みでハチミツやメープルシロップ少々を加えて。
文/写真:野菜ソムリエ 堀基子