菜果図録
名付け親は八代将軍の徳川吉宗!? 小松菜

2017年1月25日UP
 ほうれん草や水菜などの葉野菜が旬を迎える冬は、小松菜も一番美味しい季節です。自らが凍るのを防ぐために葉を厚くし、糖度を高めることが美味しさを増す理由だといわれています。「小松菜」という名前の由来は諸説ありますが、かつて八代将軍の徳川吉宗が鷹狩の途中で神社に立ち寄った際、供されたすまし汁の青菜を気に入り、その地名から名付けたのだとか。その後も小松菜は江戸の庶民に広く愛され続け、やがて全国に広がり、各地で生産されるようになりました。誕生の地である東京都江戸川区では今もなお特産品として盛んに栽培されています。東京ではお正月のお雑煮にも小松菜がよく使われています。

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 小松菜には、体内でビタミンAに変換され、粘膜や皮膚を健やかに保つ作用が期待されるベータカロテン、免疫力を高める働きで知られるビタミンCなど、肌や唇の乾燥対策や風邪予防にぴったりな、冬にうれしい栄養成分がいっぱいです。カルシウムや鉄分はほうれん草よりも豊富に含まれていますので、ぜひ日々の食卓に登場させてくださいね。
 購入の際は、葉が肉厚で丸みがあり、鮮やかな緑色で、茎が太く張りがあるものを。保存するなら、軽く湿らせた新聞紙で包み、ポリ袋に入れ、葉を上にして立てた状態で冷蔵庫の野菜室へ。3日以上保存するなら、さっと湯がいて水気を絞り、ポリ袋などに密封し冷凍します。その際、あらかじめ使いやすい長さに切って小分けしておくと、そのまま調理に使えて便利です。アクが少ないので、お浸しなどはサッと短時間ゆでればOKですし、炒め物や漬け物にも向いています。

小松菜おにぎり

小松菜おにぎり

 小松菜を塩と昆布でひと晩浸け、刻んでご飯に混ぜました。漬け物として食べれば、野沢菜のような美味しさが味わえます。塩と昆布の代わりに、昆布茶や塩昆布を使っても。

作り方(2個分)
1)小松菜2株は根元を切り落とし、葉と茎を切り分けて熱湯を回しかけ、粗熱がとれたら水気を絞ります。ポリ袋に入れ、塩ひとつまみ、細切りにした昆布1cm分を加えてよくなじませ、空気を抜いて密封し、冷蔵庫でひと晩おきます。
2)1の水気をよく絞り、茎は細かく刻みます。
3)茶碗1杯分のご飯に、2とちりめんじゃこ大さじ1、白すりごま小さじ1を加えて混ぜ、二等分にしておにぎりを作り、仕上げに1の葉で巻きます。

文/写真:野菜ソムリエプロ 堀基子