菜果図録
お正月の定番!日本生まれの温州みかん

 明けましておめでとうございます。今年のお正月は、みかんをいくつ召し上がりましたか?
 この時期の定番フルーツである温州みかんの原産地は鹿児島県といわれ、400年ほど前に中国から伝わった柑橘類から偶然に生まれたのだとか。当時、柑橘類の名産地として有名だった中国浙江省温州にあやかり、この名が付けられたのだそうです。

 みかんは日本の果物生産量の第1位に君臨し、収穫量のトップ3は和歌山県、愛媛県、静岡県。この3県だけで全国の約5割を占め、他には熊本県、長崎県、佐賀県など各地で生産されています。
 温州みかんは主に、

  • 9~10月に収穫される極早生(ごくわせ)温州
  • 11月から12月にかけての早生(わせ)温州
  • 12月から収穫される中生(なかて)温州、普通温州
  • シーズン最後の12月下旬~3月頃に収穫される晩生(おくて)温州

と、収穫時期によって4種類に分けられます。

 温州みかんの栄養成分といえば、まずは美肌や免疫力アップに欠かせないビタミンCで、100gあたり32mgも含まれています。鮮やかなオレンジ色は、体内でビタミンAとして働くカロテノイドの一種ベータクリプトキサンチンによるもので、その含有量は果物の中でもトップクラス。ビタミンAは皮膚や粘膜を健やかに保つ効果や、すぐれた抗酸化力で知られています。
 また、果肉を包む袋(じょうのう膜)には食物繊維の一種であるペクチンが豊富。この袋や白い筋には、血流改善や毛細血管の強化が期待されるポリフェノールの一種・ヘスペリジンが多く含まれています。みかんを召し上がる際には、ぜひ袋や白い筋ごとどうぞ。

選びかたと保存

 みかんを選ぶ際には、切り口が小さく、果皮の色が濃く、張りがあり、重みがあるものを。保存は通気性のある場所で、3~8度が適温です。箱で購入したり、みかん狩りに行ったりして大量にあるときは、サンドイッチ、サラダ、ドレッシング、デザート、ジャムなどの料理にどんどん活用しましょう。


ミカンとヨーグルトのオープンサンド

 これ一品で、ビタミンC、食物繊維、たんぱく質、炭水化物が一度にとれる、スグレもの簡単メニュー。忙しい朝にぜひお試しくださいね。


作り方
  1. プレーンヨーグルト100gはコーヒー用ペーパーフィルターなどを使って水切りしておく。

    前夜から作っておくと楽。分離した液体は、たんぱく質やビタミン、ミネラルを豊富に含んだ乳清(ホエー)ですので、捨てずにスープやドレッシングなどに活用しましょう。

  2. お好みのパン4切れに1を塗り、はちみつ大さじ1をかけ、皮をむいて厚めの輪切りにした温州みかん2個分をのせます。
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written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。