師走のこの時期、そろそろお正月の準備が気になりますね。おせち料理に欠かせない野菜の一つが里芋です。里芋は親芋を中心にして子芋、孫芋が育ち、その品種には、子芋を食べる「土垂(どだれ)」「石川早生」、親芋を食べる「京いも」、親子兼用品種の「八つ頭」「媛かぐや」、伝統的な京野菜の「海老芋」、新潟県佐渡郡の地方品種「やはたいも」、インドネシアから導入された「セレベス」などがあります。
中でも親芋と子芋が結合して一つの芋になった「八つ頭(やつがしら)」は、親芋を囲む子芋の姿から「子孫繁栄」、末広がりの「八」の文字、人の「頭」になるようにという願いを込め、縁起物として愛されています。また、葉柄も食用となり、赤色の「赤ずいき」、軟白栽培した「白ずいき」、葉柄だけを食べる専用品種「青ずいき」があります。
生活習慣病予防やダイエット時にもオススメ!
芋類の中でも里芋は、とりわけヘルシーな存在です。100g当たりのカロリー・糖質量・食物繊維を比べると、さつまいも132kcal・31.0g・2.3g、じゃがいも76kcal・16.9g・1.3gであるのに対し、里芋は58kcal・11.2g・2.3gと、カロリーと糖質量は低く、食物繊維はさつまいも並みで、非常に優秀なのです。里芋特有のぬめりは水溶性食物繊維の一種であるガラクタンなどによるもので、水溶性食物繊維は血糖値の上昇を穏やかにしてくれる他、コレステロールを吸着して体外へ排出し、腸内環境を整えるのにも役立ちます。また、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けるカリウムも豊富で、造血作用に関わる葉酸も含まれています。生活習慣病予防やダイエットを考えるなら、ぜひ積極的に活用したい食材です。
皮がツルリとむける、皮ごと加熱が便利!
里芋を選ぶ際は、ふっくらと丸く、ひび割れや傷がなく、皮に湿り気があり、お尻の部分に傷みがないものを選びましょう。保存する場合は、土付きのまま新聞紙に包んで冷暗所へ。冷蔵庫では低温障害を起こし、傷みやすくなります。調理の際の悩みの種といえば手のかゆみですが、皮をむく前に水洗いし、表面を軽く乾かしてから包丁でむくと、かゆみが起こりにくくなります。もっと手軽に皮むきするなら、皮つきのまま蒸すか水煮にし、手で皮をむくと、驚くほど簡単にツルリとむけます。電子レンジ加熱でもOKですので、ぜひお試しくださいね。硬めに加熱して皮をむいた里芋は、冷凍保存もできます。
お餅ではなく里芋で作った磯辺焼きです。今回はフライパンで焼きましたが、ダイエット中ならオーブントースターでこんがりと焼き、仕上げにおしょうゆを塗れば、よりカロリーダウンできます。
- 里芋(小)5個は皮つきのまましっかりと洗い、耐熱皿に並べてラップをかけ、電子レンジ(600W)強で3分ほど加熱します。竹串を刺してスーッと通ればOKですが、芯が硬ければ、加熱を追加してください。粗熱がとれたら手で皮をむきます。
- 1を食品用ポリ袋に入れ、すりこぎなどで粗めにつぶし、手のひらで丸め、平らな円盤状にまとめます。
- フライパンにごま油をうすく引き、2をこんがりと焼き、仕上げにしょうゆ少々を加え(めんつゆでもOK)、全体にからめ、海苔を巻きます。