みずみずしさあふれるシャキッとした食感が魅力のレタス。夏野菜のイメージがありますが、冬レタスは今が旬です。夏の高原レタスといえば長野県が有名である一方、冬レタスは茨城県、静岡県、兵庫県、香川県、福岡県など温暖な地域で生産されています(農林水産省 平成30年産指定野菜の統計より)。
原産地は西アジアから地中海沿岸といわれ、おなじみの玉レタスのように結球した姿ではなく、もともとはロメインレタスのような形状の葉レタスだったのだとか。紀元前の古代エジプトをはじめ、古代ローマや古代ギリシャでも栽培されていたようです。
日本へは奈良時代に中国から伝来し、当時の書物に「ちさ」の名が記されています。レタスの切り口から出る白い液が由来となって「乳草(ちさ)」と名付けられ、後にレタスの和名「ちしゃ」になったという説もあります。
ちなみに、丸いレタスは江戸時代末期に欧米から伝わり、明治時代以降から栽培が本格化。第二次世界大戦後、食の欧米化とともに、サラダ食材として広く愛されるようになりました。
淡色野菜?緑黄色野菜?多彩な品種
大型スーパーや八百屋さん、レタス産地の直売所などをのぞいてみると、近年は驚くほど多彩なレタスに出逢います。
まずは定番の玉レタス。パリッとした食感からクリスプヘッドとも呼ばれます。そして、柔らかな食感のサラダ菜。この2つは結球レタスと呼ばれる種類です。
玉にならないレタスの仲間もたくさんあります。鮮やかな緑色のリーフレタス、葉先が濃い赤紫色のサニーレタス、葉先が特徴的なフリルレタスやブーケレタス、焼肉屋でおなじみのサンチュ、シーザーサラダに欠かせないロメインレタス(コスレタス)などです。こうした様々な品種を一皿に盛り合わせるだけで、華やかなサラダになりそうですね。
なお、緑黄色野菜の基準は、可食部100g当たりのカロテン含有量が600μg以上の野菜であること。そのため、基準値に足りない玉レタスは淡色野菜に分類されますが、カロテン含有量が2000μgを上回るサラダ菜、リーフレタス、サニーレタスなどは、立派な緑黄色野菜なのです。
ビタミンCとカリウムにご注目!
レタスに含まれる栄養素の中での注目株は、ビタミンCとカリウムです。免疫力アップやコラーゲンの生成に役立つビタミンCは、100g当たり玉レタス5mg、サラダ菜14mg、リーフレタス21mg、サニーレタス17mgが含まれています。体内の余分な塩分の排出を助けるカリウムは、100g当たり玉レタス200mg、サラダ菜とサニーレタスは410mg、リーフレタスは490mgが含まれています。より健康を意識するなら、色の濃いレタスがおすすめという結論になりそうです。
もっとおいしく!選び方&保存法
葉に張りがあり、みずみずしく、切り口が新鮮なものを選びます。玉レタスの場合は手に持ってみて重くない方が、巻きがゆるく、ふんわりとしています。保存の際は、乾燥に弱いため、購入時に包まれていた包装資材やポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室へ。傷みやすいので、早めに食べ切りましょう。調理の際は、包丁で切ると、断面が酸化して切り口が茶色に変色しやすいため、手でちぎるのがおすすめです。
生のレタスを薄切りの豚肉で巻き、フライパンで焼くだけの簡単レシピ!肉に火が通ればOKなので、調理時間が短く、中のレタスのフレッシュな食感も生きています。
- レタス6枚をひと口大にちぎり、豚ロース薄切り肉6枚はまな板の上に広げ、その上にちぎったレタスをのせてギュッと巻き、市販のハーブソルト少々を振ります。
- フライパンにオリーブオイル大さじ1を入れ、1の肉の巻き終わりを下にして並べ、強めの中火でこんがりと色づくまで焼きます。焼き上がったら、レモンを絞って召し上がれ。