自宅で過ごす時間が長くなり、運動不足でダイエットが気になる今日この頃。そんなとき強い味方になってくれるのが、ほぼノンカロリーで食物繊維の宝庫、きのこです。食用きのこの多くは秋に旬を迎えますが、生きくらげは栽培の適温が高く、6月から9月頃にかけて旬を迎えます。
中華料理でおなじみですが、日本でも古くから食べられていたようで、江戸時代の「本朝食鑑」には「木海月」の名で紹介され、「菜譜」では「木耳」の名で栽培法が記されているそうです。
天然のものは広葉樹の枯れ木に生えますが、流通しているものの多くは人工的に栽培された「あらげきくらげ」という種類で、裏面に白い微毛が密生しています。農林水産省の「特用林産物生産統計調査(平成30年)」によると、生きくらげ類の生産者戸数は全国でわずか401戸。全国の総生産量約1,234tのうち、1/4以上を占めるのが岐阜県で、熊本県、茨城県、鹿児島県と続き、全国各地で生産されています。
ちなみに、黒きくらげと呼ばれる「きくらげ」や「あらげきくらげ」はキクラゲ科キクラゲ属ですが、スイーツなどで知られる白きくらげはシロキクラゲ科シロキクラゲ属で分類が異なります。
豊富な食物繊維とビタミンDに注目!
きくらげは他の食用きのこに比べ、水分がやや多く、100gあたり13kcalと非常に低カロリーです。しかも、食事の最初に食べることで糖質の吸収をゆるやかにする働きで注目される水溶性食物繊維や、便通を促す効果が期待される不溶性食物繊維が、他の食用きのこよりも多く含まれています。ダイエットが気になる方は、ぜひ積極的に料理にお使いいただければと思います。
また、乾燥あらげきくらげは、腸管でカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助けるビタミンDの含有量が、100gあたり128,5μgと非常に多く、あらゆる食材の中で第1位となっています。成長期のお子さん、妊娠中・授乳中の方、骨粗しょう症が心配な世代の方には、特におすすめの食材です。
おいしい生きくらげの選び方と保存のコツ!
店頭で選ぶ際は、色が濃く、ツヤがあり、肉厚で大きなものを選びましょう。表面が溶けているものや、軟らかくなっているものは、鮮度が落ちていますので要注意です。表面に白い粉状のものが付いていても、胞子ですので、水洗いすれば問題ありません。
保存する場合は、購入時の包装のままか、ラップで包み、冷蔵庫の野菜室へ。水に触れると鮮度が落ちるため、水気は禁物です。1週間ほどは冷蔵できますが、なるべく早めに使い切りましょう。
コリコリとしたきくらげの食感がアクセントになったチヂミです。食べやすいようにニラは細かく刻んでおくのがポイント。さぁ、焼きたてのアツアツを召し上がれ!
- きくらげ30gは細く刻み、ニラ1/4束は1センチに切ります。
- ボウルに薄力粉45g、片栗粉15g、昆布だし汁100mlと入れ、きくらげとニラを加えて混ぜます。
- フライパンにごま油小さじ2を入れて中火にかけ、温まったら2を流し入れ、木べらで押さえ付けながら焼き、こんがりと色づいたら裏返して焼き、食べやすい大きさにカットして皿に盛ります。ぽん酢しょうゆにコチュジャンを加えたタレを添えて。