赤、黄、オレンジ、緑・・・色とりどりのミニトマトは料理を華やかに彩る野菜界のアイドル的存在ですね。果実の大きさが5~30gほどの小さなトマトを総称してミニトマトまたはプチトマトと呼びます。おなじみの大玉トマトも原種はミニトマトに近いといわれ、原産地とされる南米のアンデス高原には今も野生種が自生しているのだそうです。
都道府県別の出荷量を見ると、ミニトマトもトマトと同様に熊本県36,500tで群を抜く第1位となっています。第2位は北海道15,100t、第3位は愛知県13,100tと続き、ほかにも全国各地で生産されています(農林水産省 令和元年 作物統計より)。
冬から春にかけては熊本産など温暖な地域のものが最盛期を迎え、夏には北海道産や東北、北関東などのものが出回り、年間を通じて店頭に並びます。
十人十色の個性派ぞろい!
現在、国内で栽培されている品種はおよそ200種ともいわれています。真っ赤に色づく種類では、真ん丸な形をした「甘っ子」、「千果」、「キャロル7」、「ピッコラルージュ」、「ルージュボルドー」、「プチぷよ」、やや細長い「アイコ」、「アメーラルビンズ」、「純あま」、「キャンディドロップ」、いちごのような形をした「トマトベリー」、直径が5mm~1cmほどの「マイクロトマト」などがあります。他にも、黄色には「フルーティ美味」、「イエローアイコ」、「イエローグレープトマト」、「ルビンズゴールド」、「キラーズ」、「イエローミミ」、オレンジ色には「オレンジキャロル」、「オレンジパルチェ」、「サンゴールド」といった種類があり、熟しても緑色のままの「みどりちゃん」、赤ぶどうのような色合いの「ブラッディタイガー」など、驚くほど多彩な種類のミニトマトがありますので、ぜひ食べ比べを楽しんでみてくださいね。
フルーツ並みの糖度の種類も!
ミニトマトは大玉トマトよりも栄養価が高く、100g当たりのビタミンCは大玉トマト15mgに対しミニトマトは32mgと2倍以上、抗酸化力にすぐれた赤い色素成分リコピンは大玉トマト3mgに対しミニトマト8mgで約2.6倍、ベータカロテンは大玉トマト540μgに対しミニトマト960μgで約1.8倍と、いずれも圧勝です。また、糖度も大玉トマト5~10度ほどであるのに対し、ミニトマトは10度を超えるものも珍しくありません。ミニトマトの濃厚なおいしさは、生のままではもちろん、加熱しても非常に美味です。ちなみに、リコピンは油に溶けやすく、加熱すると吸収率が高まります。
店頭で選ぶ際は、真っ赤に色づいて果実に張りがあり、ヘタがピンと新鮮で緑色のものを。購入後は涼しい場所か冷蔵庫の野菜室で保存し、新鮮なうちに使いきりましょう。
カラフルなミニトマトで、見た目も楽しいアクアパッツア。今回は鱈の切り身を使いましたが、鯛などの白身魚、鮭などでも美味です。ワインの量はお好みで加減してください。
- 鱈の切り身2枚は食べやすい大きさに切り、塩小さじ1/2を振り、10分ほど置いてからペーパータオルで水分をふき取り、生臭みを抜いておきます。あさり10個は砂抜きし、ミニトマト12個とにんにく2片は半分に切り、エリンギ2本は縦に切っておきます。
- フライパンに、オリーブオイル大さじ1とにんにくを入れて中火にかけ、いい香りが立ってきたら鱈とエリンギを入れ、軽く色付くまで焼きます。
- あさり、ミニトマトを入れ、白ワイン50mlを加えて強火でアルコールを飛ばした後、水100mlを加えてふたをして蒸し焼きにし、あさりの口が開いたら塩こしょう少々で味を調えて出来上がりです。お好みでフレッシュハーブやオリーブを散らして。