暦の上では立秋を過ぎても、まだまだ厳しい暑さが続く中、沖縄ではまだ緑色をした青切りシークヮーサーの収穫が始まっています。和名はヒラミレモンといい、「やんばる」と称される沖縄本島北部の特産品で、直径3~4センチほどのミカン科ミカン属の果実です。沖縄の方言で「シー」は「酸っぱい」、「クヮーサー」は「食べさせる」を意味し、その名の通り古くから酢の代わりに親しまれてきました。そのまま食べるには酸味が強すぎるけれど、豊かな香りと酸味が果汁として愛されるレモン、ライム、ゆず、すだち、かぼすなどは香酸柑橘と呼ばれ、青切りシークヮーサーもその仲間に数えられます。
シークヮーサーの収穫期は盛夏から真冬までと長く、7月下旬から10月中旬は酸味が強い未熟果の青切り、糖度が高まってくる10月中旬から12月下旬はジュースなどの原料となる加工用、黄色く完熟して甘みが増す12月下旬から1月下旬にかけては生食用として「フルーツシークヮーサー」「クガニー」の名で出荷されます。
機能性成分ノビレチン&タンゲレチンにご注目!
シークヮーサーの小さな実には、驚くほどの栄養素が詰まっています。まずは、血糖値や血圧の上昇を抑える働きや抗認知症効果などで注目を集める機能性成分ノビレチンが果皮100g当たり約122mgも含まれていて、これは同じ香酸柑橘かぼすの約30倍に当たります。さらに、抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用、コレステロール抑制作用などが期待される機能性成分タンゲレチンの含有量は果皮100g当たり約71.3mgで、かぼすの約8.4倍に当たります。いずれも緑色の果皮に豊富に含まれていますので、果汁を搾る際はできるだけ皮ごとギュッと搾ったり、渋みが強いため少しだけ果皮をすりおろしたり細かく刻んでドレッシングや料理に加えると、より健康的なメニューになると思います。
また、抗酸化力にすぐれ、コラーゲン生成や鉄分の吸収を助け、免疫力の維持や美肌にも欠かせないビタミンCは、100g当たり11mg含まれています。疲労回復に役立つとされるクエン酸もレモンの約2倍と豊富ですので、夏バテ気味の方には特におすすめです。
シークヮーサーの選び方・保存の裏技・調理のコツ!
酢の代わりに料理に使うなら、夏から秋にかけて出回る青切りシークヮーサーを選びましょう。ドレッシングや酢の物にはもちろん、揚げ物、ソテー、ムニエルなどの料理に搾ると、油っこさがスッキリします。ゼリーや寒天などのデザート作りにも使えます。果汁として市販されているものは、生の青切りの果実よりも糖度が高く、かなり酸味がマイルドです。
青切りシークヮーサーをたくさん入手したときは、果汁だけを絞り、製氷皿に入れて冷凍し、氷のように凍ったらジッパー付き保存袋で冷凍保存しておくと、少量ずつ使えてとても便利です。
また、果汁を搾った後の果皮は、ミントの葉を加えて水に入れて冷やせば、エコなデトックスウォーターになります。
今が旬のシークヮーサーで爽やかに残暑を吹き飛ばしましょう!
本場ペルーではライムで作るセビーチェを、シークヮーサーで作りました。機能性成分の豊富な果皮もすりおろして加えましたが、渋みが強いため、ほんのアクセント程度に。タバスコの量はお好みで加減してください。シークヮーサーの他、ゆず、かぼす、すだち、レモンなどでも、それぞれの風味が楽しめて美味です。
● | シークヮーサー | 6個(果汁大さじ2) |
● | マグロ | 50g |
● | ゆでだこ | 50g |
● | ゆでた小えび | 50g |
● | アボカド | 1/2個 |
● | 紫たまねぎ | 1/2個 |
● | きゅうり | 1本 |
● | ミニトマト | 6個 |
● | オリーブオイル | 大さじ2 |
● | 塩 | 小さじ1/2 |
● | こしょう | 少々 |
● | タバスコ | 少々 |
- シークヮーサーは半分に切って果汁を搾り、皮の表面だけをすりおろします(小さじ1ほどの量でOK)。ゆでだこ、小えび、アボカド、紫たまねぎは1センチ角に切ります。きゅうり縦十文字に切ってから、厚さ1センチの小口切りにします。ミニトマトは半分に切ります。
- シークヮーサー果汁、すりおろしたシークヮーサーの果皮、オリーブオイル、塩、こしょう、タバスコを合わせてドレッシングを作ります。
- すべての食材を合わせ、ドレッシングを加えて全体をさっくりと混ぜ、器に盛り付けます。