取材ノート
キャベツ王国 愛知県豊橋市の秘密に迫る!

2017年2月8日UP

和洋中なんでも使える万能野菜、キャベツ。
その一大生産地、愛知県豊橋市へお話を伺いました。

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■豊橋市でキャベツ栽培が始まったのはいつ頃ですか?

昭和43年以降です。
 
もともと豊橋市は水不足で非常に苦しんでいた土地でしたが、その状況を打開するために昭和43年に豊川用水が通水しました。それに合わせて基盤整備も行われました。その結果、この地域の農業は飛躍的に発展していったのです。
 
それまでは水不足に強いサツマイモや小麦を作っていましたが、通水後は、キャベツを筆頭に、スイカ、トマトなどが作られるようになりました。水不足が解消されて、安心して規模を大きくすることができたことから、その生産量は一気に増えていきました。
 
現在は、豊橋市の南部地域を中心に約1,700haの畑でキャベツが栽培されています。
 

豊川用水

豊川用水

■豊川用水がターニングポイントだったのですね。
 では、全国的な産地になった背景を教えてください。

豊橋市がキャベツの全国的な産地になったのは、真冬でも栽培できる温暖な気候に恵まれていること、そして苗を植え付けてから収穫までの育成に必要な水が豊富にあることが主な理由ですね。また、苗を自動的に畑に植え付ける全自動移植機や大型トラクターなどの機械化が進み、キャベツ農家の経営規模が大きくなっていることもありますね。

<豊橋キャベツ栽培の流れ>

キャベツの種
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キャベツ用トレー
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トレーに土を入れる
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土入れ完了!
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ハウスにトレーを並べていく
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1日2回、たっぷりと水を与える
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0日目のキャベツ
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トレーの1セルに1つ、ちゃんと芽が出ているかチェック
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3日目のキャベツ
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6日目のキャベツ
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10日目のキャベツ
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16日目のキャベツ
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20日目のキャベツ
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畑へ定植
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定植後約30日目のキャベツ
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収穫間近のキャベツ
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■豊橋キャベツの出荷時期はいつですか?

夏に苗を作って畑に植え付け、秋から春までの間、収穫しています。豊橋市のキャベツは、固くずっしりと重い「冬キャベツ」と、甘くやわらかい「春キャベツ」の2種類があります。

■季節ごとに味わいの違うものが楽しめるのですね!
 ちなみに、どんな品種を使っていますか?

「しぶき」、「しぶき2号」、「冬藍(とうらん)」など、いろいろな品種で作られています。

■どちらで購入できますか?

東京都内でしたら、スーパーや百貨店などで購入することができます。また、毎月第二土曜には、東京都有楽町の交通会館マルシェで、キャベツをはじめ、新鮮な豊橋野菜がお得にお買い求め頂けますよ。近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

交通会館マルシェ(東京都有楽町)

交通会館マルシェ(東京都有楽町)

■マルシェでも販売されているのですね!行ってみます。
 豊橋キャベツのおすすめの食べ方を教えてください。

生のままでサラダや、寒い時期はロールキャベツがオススメです。

■1玉で購入した時には食べ切れないことが多いのですが、
 上手な保存法はありますか?

玉のままの方が保存は効きますが、カットした後でも切り口をしっかりとラップに包んで冷蔵庫で保存すれば大丈夫ですよ。
 
もしくは、そのまま保存するのではなく、作り置きおかずにしてしまうのもいいでしょう。残ったキャベツを食べやすいサイズにちぎってから市販の塩昆布と和えれば、簡単に浅漬けになります。また、塩とごま油をまぶせばお子さま向けのサラダとしても、大人向けにお酒のおつまみとしても大人気ですよ。

■なるほど。それならあっと言う間に食べきれそうですね。
 貴重なお話をありがとうございました。

取材協力・写真提供:愛知県豊橋市
取材 / 文:野菜ソムリエプロ・ベジフルビューティーアドバイザー タナカトウコ