取材ノート
手づくりのような、上質なおいしさが手軽に楽しめる! 素材をいかしたチルド商品“明治 デイリーリッチシリーズ”

またひとつ、日本野菜ソムリエ協会公認商品が誕生しました! 袋のままレンジでチンするだけの「レンジで彩りスープ」と「レンジでごちそうカレー」、味つけ不要で手間いらずの「基本のソース」の3つのシリーズを揃えた「明治 デイリーリッチシリーズ」全15品です。簡単調理が可能でありながら、そのすべては鮮度感にこだわったチルド商品。レシピ開発には有名シェフからの教えもいかしているのだとか。これはなにやらマニアックな商品の予感…。株式会社明治さんにお邪魔して、商品開発の裏話など根掘り葉掘り聞いてみることにしました。

左から、マーケティング担当の藤本和英さん、商品開発担当の加藤瑞季さん、宣伝担当の山本俊一さん。

「デイリーリッチシリーズ」とは、どのような商品なのですか?
商品開発にこめた思いなどもお聞かせください!

デイリーリッチシリーズはご覧の通り、「スープ」「カレー」「基本のソース」と、大きく分けると3つのシリーズで構成されています。工場から店頭まで冷蔵便で届けられるチルド品で、まるでつくりたてのようなフレッシュ感を堪能していただける商品を目指しました。
 
「レンジで彩りスープシリーズ」については、当初「スープって、プラス一品添えるだけで食卓が華やかになるよね」という話が出ました。そこで、商品のラインナップをたくさん用意して、日々の食事が素敵にアップグレードするようにとの思いで開発を進めました。
 
ラインナップは、「甘みひき立つ あら挽きコーンスープ」「グリル野菜のミネストローネ」「ボストン風 クラムチャウダー」など、洋風の王道メニューを取り揃えつつ、「7種野菜のしょうがコンソメスープ」のような変わり種も加えた、選べる7種のスープを取り揃えています。

「グリル野菜のミネストローネ」など、ネーミングからも商品づくりへのこだわりを感じますね。

そうなんです! 他にも、「北海道産生クリーム仕立て じゃがいものポタージュ」は、ダイスポテトとじゃがいもペーストをW配合して、じゃがいもの素材のおいしさが楽しめるようにし、そこにベーコンの旨味を効かせてアクセントにしています。栗かぼちゃをふんだんに使った「ほっこり甘い かぼちゃのポタージュ」も、スープには「赤皮栗かぼちゃ」、具には煮崩れしにくい「緑皮栗かぼちゃ」というように、素材の食感や風味をより楽しんでいただくために、あえて2種類のかぼちゃを使っているんですよ。

それは、すごい! 耳で聞いただけで、おいしそうです(笑)
そしてどのスープもごちそう感がありますね。

インスタントやレトルトのスープは朝のシーンで飲まれることが多いと思うのですが、デイリーリッチシリーズのスープは素材たっぷりでお腹満足の食べ応えなので、がっつり食べたい夕食にもオススメです。まるでおうちで手づくりしたかのような味わいですよ。他にもゆったりしたい休日のブランチや小腹が空いた時の夜食など様々なシーンで楽しんでください。

「レンジでごちそうカレーシリーズ」にも、何かこだわりの秘密があるんでしょうか?

はい、じつは「専門店の品質をおうちでも」が、カレーシリーズの最大の特長です。弊社はこれまで「銀座カリー」や「まるごと野菜カレー」など、いろいろな種類のレトルトカレーを出してきました。その経験を踏まえて、「チルドのよさを出せるカレーってなんだろう?」と考えた時、エスニックにたどり着きました。エスニックのカレーはスパイスが効いていて、その繊細な香りや風味が味を左右する大事な要素です。チルドであれば、スパイスの風味を消すことなく届けられる。それで、インド風、タイ風といった、専門店で食べるような本格的なカレーのラインナップになったわけです。

「基本のソース シリーズ」は、スープやカレーとは趣向が違いますね。

このシリーズは、日常のなかの贅沢をさらに広義的に解釈し、「日々の食卓をより豊かに、上質なものにしてほしい」という考えから生まれました。毎日の食事づくりや、献立を考えることって本当に大変ですよね。「味つけがうまく決まらなくて困っている」「レパートリーが 少ない」といった声もよく耳にします。これはそういうお悩みを解決する商品なんです。難しい味つけはこのソースに任せてもらって、あとは好きな食材をつかっていろいろな料理を楽しんでいただきたいとの思いをこめました。パッケージの裏側には、イラスト入りでわかりやすいレシピも掲載しています。

レトルトのカレーやスープ、ソース類は常温商品のイメージがありますが、
シリーズすべてをチルド商品にされたのは何故ですか?

つくりたてのおいしい状態をキープしたままお客様にお届けしたいというのが、チルドの商品にした一番の目的でした。加工食品ではありますが、家庭で丁寧に手づくりしたようなおいしさを楽しんでほしいという想いもありまして。また、チルドにすることで、つかえる材料の幅が広がるというメリットもありました。例えば、先ほどのカレーのスパイスの話もそうですし、トマトソースやクリームソースもチルドであれば、鮮度をキープできるため、変色などの劣化を避けることができ、彩りも含めてつくりたてのようなフレッシュ感を味わえます。

カレーやスープだけでなく、
基本のソースまでもしっかりと野菜が入っているんですね。

じつは具入りソースの発想のヒントは、市販の「麻婆豆腐の素」にありました。メーカーによっては具入りの商品がありますよね。一方、トマトソースやクリームソース類は一般的に調味料として存在していますよね。だから、具はいちからそろえなければならない。具入りの素を使っている方々によると、それが大変であり、ストレスらしいのです。その声を参考に、あまり具を足さなくても成立するようにしようと思いました。それでソースだけれども仕込み要らずの具材入り仕様にしたんです。

具として入れた野菜はどのように選びましたか?

お客様がお好みの具材を足して使う場合を考えて、邪魔になるような可能性のある野菜は省き、できるだけポピュラーで、どんな料理にも合うような野菜を選びました。トマトソースにはトマトと相性がよく彩りも綺麗な赤ピーマンを、デミグラスソースには食感がアクセントになるマッシュルームを、クリームソースには色あいがよく食感が残る品種のじゃがいもと、加熱してもシャキシャキした食感と野菜本来の風味を残すことが可能な、弊社独自技術の「野菜しゃっきり製法」で食感を残した玉ねぎを入れました。

日本野菜ソムリエ協会公認商品になった経緯も教えてください。

デイリーリッチシリーズは、チルドによる鮮度感、素材感が特長で、手づくりのような味わいも感じられる商品です。いろいろな野菜が具として使われており、基本のソースはさらにどんな野菜とも相性がぴったりです。この商品の魅力を伝えるには、野菜ソムリエとのコラボがいいのではという案が出てきました。そこで、座談会を開いて野菜ソムリエの方々に試食をしてもらったところ、ソースについては野菜との親和性が高いこと、シリーズ全体でも“野菜の素材感”を楽しめることに感動していただき、日本野菜ソムリエ協会公認商品へと至りました。
 
明治デイリーリッチ×日本野菜ソムリエ協会

「基本のソース」は、野菜ソムリエ考案のレシピ展開もされるそうですね。

食のスペシャリストである野菜ソムリエの皆さんに、このソースの楽しみ方を幅広くアドバイスしてもらいたいと思い、レシピ考案を依頼することにしました。この商品をぜひ使ってほしい主婦目線での提案をいただけることもお願いした理由のひとつです。現時点では秋冬の旬野菜を使ったレシピを紹介しており、これから徐々に増やしていく予定です。いろいろな野菜で楽しめるレシピになっていますので、是非ご家庭でアレンジを試してみてください!
 
基本のソースシリーズ アレンジレシピ

ところで、ご担当の皆さまのイチオシ商品はどれですか?
また、裏技的食べ方がありましたら教えてください。

マーケティング担当の藤本和英さん:
「ボストン風 クラムチャウダー」です。ぷりぷりのクラム(あさり)がおよそ10個も入っているんです。クラムを取り出して、串に刺してスープにつけながら食べるのが裏技です! ひとつのスープで2品楽しめる感じになりますよ(笑)
 
商品開発担当の加藤瑞季さん:
思い入れがあるのは「甘みひき立つ あら挽きコーンスープ」ですね。これは相当こだわってつくりました!! 北海道にある契約栽培の畑では、採れたての美味しさや風味をキープするため、収穫後軽く茹でて冷凍という工程をその日のうちに行い商品化します。今年の8月下旬、実際にその現場を見に行ってきました。 また、このスープに使用するのは北海道産のスーパースイートコーンのみです。あえて、あら挽きのクラッシュコーンをつかっています。素材のおいしさが活きており、インスタントのコーンスープとは別格の味わいを楽しんでいただけると思います。
「甘みひき立つ あら挽きコーンスープ」はそのまま飲んでもらうのがベストなので、裏技的な食べ方としては、「タイ風グリーンカレー」をそうめんのつゆにすることですかね(笑)
 
宣伝担当の山本俊一さん:
「7種野菜のしょうがコンソメスープ」です。これは試食してすぐ一目惚れしました。元々僕は風邪をひきやすいというのもあるのですが、このスープを食べると体の内側からポカポカします。寒くなるこれからの季節はおすすめです。商品名の通り、たけのこ、れんこん、たまねぎ、にんじん、ごぼう、みずくわい、しょうがといった7種類の野菜と鶏肉と大麦が入っていて、多種多様な食感があって面白いですよ。このスープは野菜ソムリエの皆さんからも特に好評でしたね。
裏技的食べ方としては、デイリーリッチシリーズは「あめ色たまねぎのこく深いオニオンスープ」をはじめ、どれもチーズとの相性がいいので、「追いチーズ」して食べるといいんじゃないかなと思います。

斬新な裏技をありがとうございました!(笑)
その他、トピックスなどありましたら教えてください。

11月から野菜ソムリエの皆さんにお手伝いしていただきながら、デイリーリッチシリーズの大試食会を各地で開催する予定です!

〜 編集後記 〜

2種使いのかぼちゃが気になった「ほっこり甘い かぼちゃのポタージュ」と、ぷりぷりクラムが気になった「ボストン風 クラムチャウダー」を実食しました。

袋のままレンジで1分ちょっと加熱するだけなのに、本当に手づくりしたかのような味わいに驚きました。お話を聞いた通り、素材の魅力が生きています。
おいしい、おいしすぎる!! 我が家の冷蔵庫ストック食に決定です!
なお、「ボストン風 クラムチャウダー」は、裏技的食べ方にも挑戦(笑)。本当にボリュームのあるぷりっぷりのクラムで、串刺しはアリかもしれません。

取材協力・画像提供:株式会社明治
https://www.meiji.co.jp/foods/chilled_frozen/daily-rich/

photo
written by

タナカトウコ

/取材・文・人物撮影

野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザー。薬膳や漢方の資格も複数保有し、「食」を軸に多角的に活動中。書籍に「日本野菜ソムリエ協会の人たちが本当に食べている美人食」「毎日おいしいトマトレシピ」「旬野菜のちから−薬膳の知恵から−」等がある。
ホームページ http://urahara-geidai.net/prof/tanaka/
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