菜果図録
食卓にイタリアの風を運ぶ バジル

2016年7月6日UP
 イタリア料理やフランス料理に欠かせないバジルは、インドや熱帯アジアが原産のシソ科のハーブ。バジルというのは英名で、イタリア語ではバジリコ、フランス語ではバジリックと呼ばれます。国内では、沖縄県、大分県、茨城県、千葉県、群馬県、三重県など各地で栽培され、私たち日本人にも、なじみ深いハーブの一つです。

 栄養成分としては、皮膚や粘膜を健やかに保つベータカロテン、血行の改善効果で注目されるビタミンE、白内障の予防をはじめ目のアンチエイジングに期待が高まるルテインなどを含む、とてもヘルシーな食材。また、バジル特有の香りを生み出すリナロールやオイゲノールなどの精油成分には、リラックス効果、食欲・消化を促す効果もあるといわれています。

 バジルはとりわけトマトと相性がよく、ピッツァ・マルゲリータやカプレーゼのようにバジル+トマト+チーズという組み合わせは、風味を引き立て合い、彩りも美しく、まさにイタリアンの逸品です。さらに、家庭菜園やプランターで栽培する際も、バジルとトマトはともに成長を助け合うコンパニオンプランツとなります。トマトは乾燥気味で育てると糖度が増す特性がありますが、トマトの根元にバジルを植えれば、トマトの余分な水分をバジルが吸収し乾燥を促します。またバジルの香りがトマトの虫よけ効果も期待できます。

 バジルを保存する際は、冷蔵庫では低温障害を起して黒ずんでしまうため、水を入れたグラスなどに挿しておき、早めに使いましょう。使い切れない場合は、葉だけを摘んでポリ袋に密封し、できるだけ空気を抜いて冷凍しておくと、凍ったまま調理に使えます。

バジルペースト

バジルペースト

 バジルペーストにする場合は、オリーブオイルとともにミキサーにかけ、密封ポリ袋に入れて空気を抜き、スティック状にして冷凍するのがオススメ。必要な量だけポキッと折って使えるので、とても便利です。

作り方
バジルの葉100g、オリーブオイル150ml、塩小さじ1/2をミキサーにかけ、全体が細かくなってフワッとしたら出来上がり。お好みで、すり鉢ですった松の実やクルミ、すりおろしたニンニクを加えても。

文/写真:野菜ソムリエ 堀基子