菜果図録
品種いろいろ沖縄産 パイナップル

2016年8月3日UP
 松かさ(パイン)のような形と、りんご(アップル)のような甘い風味が、その名の由来になったといわれるパイナップル。原産地は南米で、大航海時代にコロンブスによって発見され、ヨーロッパに持ち帰られて世界に広まり、日本へは江戸末期に伝来しました。コスタリカ、ブラジル、フィリピンなどで盛んに生産されており、日本ではほとんどが沖縄県で栽培されています。

 沖縄県では現在、ハワイ種とも呼ばれるスムースカイエン(N67-10)を中心に、桃のような香りからピーチパインとも呼ばれるソフトタッチ、果肉を手でちぎって食べられることからスナックパインとも呼ばれるボゴール、糖度が高く大玉で高級フルーツとして人気が高まっているゴールドバレルなど、様々な品種が栽培されています。ハウス栽培のものは4月頃から収穫が始まり、梅雨明けから9月頃まで露地ものの収穫が続き、最盛期にあたる8月1日を沖縄県と農林水産省が「パインの日」と定めています。

 パイナップルの栄養素としては、美肌や日焼け対策に欠かせないビタミンCに富み、腸内環境を整えてくれる食物繊維も豊富です。また、たんぱく質分解酵素ブロメラインを豊富に含むため、生のパイナップルを肉の下ごしらえなどに利用すると、肉料理がやわらかく仕上がります。パイナップルの皮を10分ほど肉にかぶせておくだけでもOKです。未熟なパイナップルを食べた際、舌がピリピリと感じることがありますが、このたんぱく質分解酵素ブロメラインや、パイナップルに含まれるシュウ酸カルシウムの針状の結晶が原因といわれています。パイナップルに含まれる糖分は実の下部に集まってしまうため、甘さを均一にしたいときは葉を下にして置きましょう。あるいは、糖度の高い下半分を生でフルーツとして楽しみ、上半分は料理に使うのもおすすめです。

パインソースの簡単サラダポーク

パインソースの簡単サラダポーク

作り方
1)豚肉のかたまりに塩こしょうをすりこみ、すりおろしたパイナップルの芯とともにポリ袋に入れ、30分ほど冷蔵庫で寝かせます。
2)オリーブオイルを熱したフライパンで、1)をこんがりと色づくまで焼き、耐熱ポリ袋に入れて密封します。
3)炊飯器の釜に2)を入れて熱湯を注ぎ、保温スイッチを入れて1時間半ほど保温し、粗熱がとれたら取り出してスライスします。
4)ソースを作ります。粗みじん切りにした玉ねぎを透明になるまで炒めて火を止め、オリーブオイル、レモン果汁、刻んだパイナップルとパプリカを加えて混ぜ、塩こしょうで味を調えます。
5)4)のソースをサラダポークにかけ、ブロッコリースプラウトを添えます。

文/写真:野菜ソムリエ 堀基子