菜果図録
食物繊維と抗酸化力にご注目! ごぼう

2016年12月21日UP
 秋から冬へと向かうこの時期は、根菜が美味しくなってくる季節です。根菜と言えば、やはりごぼう。特有の香りには食欲もそそられますね。 ごぼうの旬は年に2回あり、11月から1月にかけて収穫される今が旬の「ごぼう」に対し、4月から6月にかけて若採りされるものは「新ごぼう」と呼ばれます。ごぼうはキク科ゴボウ属に分類され、青森県、茨城県、北海道などで栽培されています。江戸時代のころから現在の東京都北区滝野川地域で栽培され、長根種の代表的な品種となった滝野川ごぼう、成田山新勝寺に奉納される千葉県匝瑳市大浦地区の特産の由緒ある大浦ごぼう、京都の伝統野菜に数えられる堀川ごぼう、奈良伝統の大和野菜の一つである宇陀金ごぼう、大阪府八尾市の特産で知られる葉ごぼうや若ごぼうなど、各地に個性あふれる種類のごぼうがあります。

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 ごぼうの栄養面での最大の特長は、血糖値の上昇を抑える働きが期待されている水溶性食物繊維イヌリンや、腸の活動を促す効果があるといわれる不溶性食物繊維リグニンなど、食物繊維が豊富に含まれていること。100gあたり5.7gの食物繊維含有量は、野菜の中でもトップクラスです。また、今までアクと呼ばれて悪者扱いされてきたものの正体は、実はタンニン、サポニン、クロロゲン酸など抗酸化力にすぐれたポリフェノールの仲間。特に皮に豊富に含まれていますので、皮をむいたり長く水にさらしたりせず、大切な栄養分を余すことなくしっかりいただきましょう。ちなみに私はごぼうを調理する際、しばらく水に浸してよく土に水を含ませてから、柔らかめの歯ブラシでこすり洗いしています。
 日持ちさせたいときは土付きのものを選び、保存時は新聞紙などで包んで冷暗所か冷蔵庫の野菜室へ。包丁で切るとすぐに断面が茶色に変色してきますので、直前にカットして手早く調理に進みましょう。

ビーツのマリネ

ごぼうチップス

ごぼうの風味が香り立つ、サクサクの食感がたまらない、ごぼうチップス。少しだけ塩をふって、このまま食べても美味ですが、サラダやスープ、メインディッシュのトッピングなどにしても素敵です。

作り方
1)ごぼうは20センチの長さに切ってから、ピーラーでリボン状にします。
2)170~180度に熱したオリーブオイルで水分を飛ばすようにカラッと揚げます。

文/写真:野菜ソムリエ 堀基子