菜果図録
アンチエイジング&美肌の味方! かぼちゃ

 秋の気配とともに店頭に並び始める国産かぼちゃは、9月から12月にかけて旬を迎えます。北は北海道から、南は沖縄県まで、全国各地で生産されていますが、総収穫量の約6割は北海道産です。16世紀頃、カンボジアに寄港したポルトガル船によって伝わったため、カンボジアがなまって、かぼちゃという名が付いたのだとか。
 こうして伝来し、日本各地に広まりながら様々な品種に改良されてきたのが、ゴツゴツとした皮に深く縦溝が走った“日本かぼちゃ”。黒皮かぼちゃ、菊かぼちゃ、ちりめんかぼちゃなどの品種があり、ねっとりとした食感が特徴です。

 一方、19世紀にアメリカから伝わり、明治時代から北海道などで本格的に栽培が始まったのが、黒皮栗などでおなじみの“西洋かぼちゃ”。えびす、みやこ、くりゆたかなどの品種で知られ、甘くホクホクとした味わいが好まれ、現在の主流となっています。

 他に、金糸うり、ズッキーニなどが属する“ペポかぼちゃ”という種類もあります。最近は、生食できる鈴かぼちゃやコリンキーなどの種類も人気です。

 かぼちゃ特有のオレンジ色は、体内でビタミンAに変換されるベータカロテンによるもので、目の健康に役立つ黄色の色素成分ルテインも含まれています。ビタミンEの含有量は野菜の中でもトップクラスで、意外とビタミンCも多く、美肌やアンチエイジングに欠かせないビタミンA・C・Eをすべて含む、女性に嬉しいヘルシー野菜です。また、食物繊維がとても豊富であることも、見逃せません。

選びかたと保存

 選ぶ際は、ずっしりと重く、ヘタが硬くよく枯れていて、西洋かぼちゃは皮にツヤがあるものを、日本かぼちゃは皮が粉をふいているものを。丸ごとなら常温保存OKですが、カットしたら種を取り除き断面にラップをかけて冷蔵し、早めに使いきりましょう。かぼちゃに豊富なベータカロテンは、油とともに調理すると吸収が高まりますので、オリーブオイルのソテーは特におすすめです。


焼きかぼちゃのマリネ

 カボチャをオリーブオイルでソテーし、プルーンと一緒にマリネしました。粗熱がとれてから食品用ポリ袋で密封しておくと、プルーンがやわらかくなって美味です。

作り方
  1. かぼちゃ200gは皮ごと薄切りにし、オリーブオイル大さじ1を入れたフライパンでこんがりと焼き、塩こしょう少々をふります。
  2. 焼きあがったら火を止め、ワインビネガー大さじ1、はちみつ大さじ1を加えて全体にからめ、粗熱がとれたら汁ごと食品用ポリ袋に入れ、プルーン6粒を刻んで加え、空気を抜いて密封し、約30分なじませたら出来上がりです。
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written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。