菜果図録
いろいろあって面白い!カリフラワー

 寒さ厳しいこの季節は、特にアブラナ科の冬野菜である白菜や大根などの甘みが増しておいしくなりますが、同じ科に属するカリフラワーも旬の真っただ中にあります。カリフラワーの旬は寒さがつのる11月から3月にかけての時期で、徳島県、愛知県、茨城県などで生産されています。ブロッコリーと同じくケールを祖先とするキャベツの仲間で、いずれも明治初期に日本へ伝来し、洋食文化の普及とともに昭和30年代から広まりました。

 ブロッコリーが緑黄色野菜なのに対し、カリフラワーは淡色野菜で、どちらも花芽の部分を食べます。ビタミンCが100g当たり81mgと、キャベツやみかんの約2倍も含まれており、野菜の中でもベスト5に入る含有量です。カリフラワーといえば白という印象がありますが、近年ではオレンジ色や紫色などカラフルな品種も見かけるようになりました。オレンジ色のものはベータカロテン、紫色のものはアントシアニンを多く含み、見た目の華やかさだけではなく、機能性成分が豊富な点も魅力です。

選びかたと保存

 購入の際には、花蕾がかたく締まって、こんもりと盛り上がっていて、変色がなく、切り口がみずみずしく、手に持ってみてずっしりと重い物を選びます。カリフラワーは花芽のため成長が早く、あまり日持ちしないので、できるだけ早く使いましょう。調理の際は、水でゆでると栄養成分が流出しやすいので、小房に切り分けてから、蒸すか電子レンジで加熱するのがおすすめです。少し硬さが残る程度に火を通し、ざるにあげておくと、余熱で火が通ります。加熱の後、冷水にとると、水っぽくなってしまいますのでご注意くださいね。太い茎の部分には甘みが多いので、捨てたりせず、厚めに皮をむき、繊維に沿って縦に切って一緒に加熱します。保存したいときは、硬めに加熱してから、食品保存袋などに入れ、冷凍庫へ。ちなみに紫色のカリフラワーも、ゆでるよりも蒸すか電子レンジの方が色落ちしにくく、美しく仕上がります。


カリフラワーのピリ辛カレーピクルス

 スパイシーな風味が新鮮な一品。保存の際は、食品保存用袋に入れ、空気を抜いて密封すると、液の量が少なめで済み、ガラス瓶のように煮沸消毒する手間もかからず便利です。


作り方
  1. カリフラワー1株は小房に切り分け、にんじんは3ミリ厚の輪切りにし、1分ほどゆで、ざるにあげて水気を切ります。
  2. 白ワイン100ml、水80ml、きび糖大さじ4、塩小さじ1、ローリエ1枚、赤唐辛子(輪切り)少々、粒こしょう少々をホーローやステンレスの鍋に入れて火にかけてよく混ぜ、沸騰したら酢200mlとカレーパウダー小さじ1を加えて火を止め、熱いうちに1を浸けます。
photo
written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。