数ある春野菜の中でも、その人気とともに生産が増えているのがスナップエンドウ。この10年で作付け面積が1.5倍に急増したという新聞記事がwebニュースサイトでも話題となりました。調理しやすく、えぐ味が少なく、甘味があって子どもにも食べやすく、お弁当に緑の彩りを添える食材としてのニーズもあって、人気が高まりました。
スナップエンドウはアメリカで育成された、さやえんどうの仲間で、1970年代から日本で出回るようになりました。ポキッと折れる音を英語でsnapと呼ぶことから名付けられたといいます。見た目はグリーンピースに似ていますが、グリーンピースはさやが硬く、豆だけを食べるのに対し、スナップエンドウはさやが軟らかいため、さやと豆を丸ごと食べられ、さやえんどうよりも肉厚で、パリッとした食感が楽しめます。
スナックエンドウという名前を見かけることがありますが、これは日本の種苗会社が名付けた名称で、農林水産省が1983年に新野菜の名称を統一した際に、スナップエンドウが正式な名称と定められました。
スナップエンドウの産地と種類
3~6月にかけて収穫の最盛期を迎えるスナップエンドウ。農林水産省が発表した地域特産野菜生産状況調査の令和2年産の統計を確認すると、全国で生産されている収穫量7,690トンのうち、6割以上を占めているのが鹿児島県の4,770トンで、次いで熊本県の824トン、愛知県の510トンと続き、長崎県、大分県、福島県、北海道などでも生産されています。
種類としては、つるあり・つるなしがあり、昔から栽培されている「ジャッキー」、「スナック」、「ホルンスナック」、極早生種の「ニムラサラダスナップ」、早生種の「豊姫」、肉厚で甘みが強い「グルメ」などの品種があります。
スナップエンドウの栄養学
スナップエンドウ100gあたりに含まれる栄養素をチェックしてみると、免疫機能の強化や美肌に役立つビタミンCは43mgと温州みかんよりも多く、体内でビタミンAとなって粘膜や皮膚を健やかに保つ働きで知られるベータカロテンも400μg含まれています。造血のビタミンとして知られる葉酸は53μg、止血のビタミンと呼ばれるビタミンKは33μg、たんぱく質は2.9g含まれており、とても健康的な野菜であることが分かります。
スナップエンドウの選び方、保存法、調理のコツ!
全体が美しい緑色で、ふっくらとして張りがあり、豆が端まで詰まっていて、傷や変色がないものを選びます。ガクの部分まで鮮やかな緑色のものが新鮮です。
保存の際は、乾燥しないようにポリ袋などに入れ、冷蔵庫の野菜室へ。鮮度が落ちてくると、張りがなくなり、シャキシャキとした食感が失われますので、購入後は早めに使い切りましょう。
調理の際は、さやの両側にある硬い筋を取り除きます。ガクの反対側の先端をちぎって筋をつまみ、ガクの方へ引っぱると、きれいに取れます。
シャキシャキとした食感を生かすなら、水に塩を入れて火にかけ、沸騰したらスナップエンドウを入れ、1分30秒ほどゆでて、ざるに上げると、余熱で火が通り、歯ごたえのある食感になります。自分の好みの歯ごたえのゆで時間を見つけてくださいね。
新じゃがと合わせたサラダはいかがですか。新じゃがは皮つきのままスナップエンドウに合わせて縦長の薄切りに。スナップエンドウをゆでた湯で新じゃがもゆでるので、時短&エコなレシピです。ゆで玉子は黄身だけをミモザ風に散らしてもOK!粒マスタードとはちみつの量はお好みで調整してくださいね。
● | スナップエンドウ | 12本 |
● | 新じゃが | 4個 |
● | ゆで卵 | 1個 |
● | 塩 | 小さじ2 |
<ドレッシング> | ||
● | マヨネーズ | 大さじ2 |
● | 粒マスタード | 大さじ1 |
● | はちみつ | 小さじ2 |
- スナップエンドウは筋を取り、水1リットルに塩を小さじ2ほど入れて火にかけ、沸騰したらスナップエンドウを入れ、1分30秒~2分ほどゆでて取り出し、ざるに上げて冷まし、ドレッシングがからみやすいように、さやの側面から2枚に開いておきます。
- 新じゃがは皮ごとしっかりとよく洗い、皮つきのまま半分に切ってから5ミリ厚の薄切りにし、①の湯で3~4分ゆでて、ざるに上げます。
- マヨネーズ、粒マスタード、はちみつを混ぜてドレッシングを作り、①と②を入れて全体に混ぜ、仕上げに縦4等分に切ったゆで玉子を加えてさっくりと混ぜ、器に盛ります。