菜果図録
未熟なえんどうの豆だけを食す : グリーンピース

2015年4月28日UP
明るい緑色が春を感じさせてくれるグリーンピースは、若いえんどうから豆だけを取り出したもの。マメ科エンドウ属の「えんどう」には3つの種類があります。まずは、「未熟な豆だけを食用にする「実えんどう」こと「グリーンピース」。次に、「絹さや」や「スナップエンドウ」など、若いさやごと食用にする「さやえんどう」。そして、うぐいす餡や煮豆に使われる「青えんどう」、みつ豆や豆大福などに使われる「赤えんどう」など、完熟した豆を乾燥させた「えんどう」です。

グリーンピース


グリーンピースが属する「えんどう」の原産地は東部地中海沿岸およびコーカサス南部からイランまでの西アジアにかけての地域で、古代ギリシャではすでに栽培されていたのだとか。その後、インドから中国を経て、9世紀頃、遣唐使により日本へ伝えられたといわれています。現在、国内の生産量の半分以上が和歌山県産で、2位の鹿児島県と合わせると総生産量の8割に達します。
たんぱく質と食物繊維が豊富なグリーンピースを、ぜひ春の食卓に。

春らしい新緑色の一皿
Wえんどうのサラダ

豆ご飯、スープ、煮物、炒め物など、使い勝手がいいグリーンピースで、今回は春らしいグリーンカラーのサラダを作りました。同じえんどうの仲間で、若いさやと実の両方を食べるスナップエンドウを加え、シャキシャキとした食感がアクセントに。シンプルなドレッシングの風味に、バジルの香りと、グリーンピースやスナップエンドウの甘みが加わり、爽やかな味わいに仕上がります。グリーンピースはゆでた後、湯に浸したまま冷ませば、皮にしわが寄りません。

作り方
グリーンピース100gとスナップエンドウ100gは下ゆでし、スナップエンドウは長さ2cmに切っておく。ちぎったバジルの葉10枚を加え、EXオリーブオイル大さじ1、レモン果汁大さじ1.5、塩こしょう少々を混ぜたドレッシングで和える。

文/写真:野菜ソムリエ 堀基子