菜果図録
古代エジプト王にも愛された : モロヘイヤ

2015年6月24日UP
夏本番を迎え、葉茎菜類の種類が少なくなる中、ひときわ元気なのがモロヘイヤ。シナノキ科ツナソ属に分類され、原産地がアフリカから中近東にかけてというだけあって暑さに強く、7月から9月にかけてよく出回ります。
モロヘイヤの語源は「王家の野菜」を意味するアラビア語の「ムルキイヤ」。病に侵された王がモロヘイヤのスープで健康を取り戻したという故事に由来するのだとか。エジプトでは5000年以上前から食用とされ、葉を刻んで作るスープは伝統的家庭料理として今なお愛されており、各家庭にはマハラタと呼ばれるモロヘイヤ専用包丁があるそうです。日本では1980年代から本格的に栽培が始まり、群馬県、愛知県、宮崎県、岐阜県、東京都などで生産されています。

モロヘイヤ

モロヘイヤ

ベータカロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、食物繊維などが豊富です。あまり日持ちしないため、購入後は早めに使い切るのがポイントです。この夏は元気野菜モロヘイヤをたっぷり食べて、夏バテを予防しましょう。

のどごしトロリ、簡単さっぱりメニュー
モロヘイヤ&モズク酢

モロヘイヤのくせのない味わい、軟らかな食感は、スープや汁物、おひたし、炒め物、天ぷらなど、どんな料理にもよく合いますが、今日はとびきり簡単な夏向けレシピをご紹介します。モロヘイヤは、たっぷりの水の中でよく洗って汚れを落とし、硬く太い茎から葉と細い茎だけを摘み、さっとゆで、ざるに上げて水気をきり、厚手のポリ袋に入れて袋の上から包丁で押切りすると、まな板や包丁が汚れず便利です。

作り方
モロヘイヤの葉と細い茎だけをさっとゆで、ざるに上げて水気をきって、食べやすい長さに切ります。あとは、市販のカップ入りモズク酢と和えるだけ。みょうがやしょうがなどお好みの薬味を添えて。

文/写真:野菜ソムリエ 堀基子