菜果図録
名脇役と呼ばれ続けて・・・パセリ

 肉料理、魚料理、サンドイッチ・・・いつも気づけば添えられているパセリ。季節を問わず名脇役としていつもお皿を彩っていますが、春から秋にかけて収穫の季節を迎えます。セリ科に属するパセリは、世界でもっとも親しまれているハーブの仲間。地中海沿岸が原産とされ、古代エジプトや古代ギリシャでは、食用の他、薬用や歯磨きにも使われていたのだとか。日本へは18世紀にオランダから伝わり、明治の終わり頃から本格的に栽培が始まりました。現在は主に茨城県、長野県、千葉県などで生産されています。おなじみのパセリは縮葉種と呼ばれ、イタリアンパセリは平葉種に分類されます。

 栄養面から見ると、パセリは脇役どころか、野菜の中でも群を抜く優等生です。100g当たりのベータカロテン含有量は7400μgとにんじん並み、ビタミンCも120mgと赤黄パプリカに次ぐ堂々の3位。骨や血管の健康に関わるビタミンKは850μgと野菜界ナンバー1!貧血予防に欠かせない鉄分は7.5mg、葉酸は220μg、体内の塩分の排出を助けてくれるカリウムは1000mgと、いずれもトップクラスです。ちなみに、特有の香りはアピオールという精油成分によるもので、口臭予防や食欲増進、疲労回復などの効果が期待できるといわれています。ただし、パクチーなどの香草と同様、摂り過ぎると体調を崩す場合がありますので、食べ過ぎにはご注意くださいね。

選びかたと保存

 購入の際には、葉が密集していて、美しい緑色で光沢があり、縮れが細かく、ふんわりとしていてみずみずしく、切り口が新鮮なものを。葉が黄色っぽく変色したものは避けましょう。乾燥に弱いため、保存の際は水を入れたコップに挿し、葉の部分をラップでふんわりと包んで冷蔵庫へ。使いきれないときは、水洗い後によく水気を切り、丸ごとポリ袋に入れて冷凍を。凍ったパセリを袋ごと手でもみ砕き、枝だけを取り除けば、簡単にみじん切りになり、とても便利です。


パセリのヘルシーふりかけ

体内でビタミンAに変わるベータカロテンと、ビタミンCが豊富なパセリに、抗酸化力の相乗効果を高めるビタミンEが含まれるオリーブオイルと桜海老をプラス!さらに、桜海老、ちりめんじゃこ、白ごまでカルシウムもたっぷり!ご飯にかけたり混ぜ込んだり、卵焼きに混ぜて焼いたり、パスタや冷奴のトッピングにも、よく合います。


作り方
  1. パセリ10本は葉だけをみじん切りにし、オリーブオイル大さじ1を熱したフライパンで炒めます。
  2. 桜海老大さじ3、ちりめんじゃこ大さじ3、白すりごま大さじ1を加えて炒め合わせ、しょうゆ大さじ1、みりん大さじ1で味を調えます。
photo
written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。