菜果図録
世界各地でもKAKIの名が!柿

 秋を代表する果物といえば柿。8月から年の瀬にかけて店頭に並びますが、もっとも多く出回るのは10月から11月。原産は中国といわれ、平安時代に記された本草和名や延喜式にもその名が登場し、日本でも古くから愛されてきたことが分かります。16世紀頃、交易のあったポルトガル人の手によって日本の柿はヨーロッパへ渡り、その後、アメリカへと伝わったのだとか。学名にもkakiの名がつけられており、今もフランス、イタリア、ブラジルなどではカキと呼ばれているそうです。ちなみに国内の収穫量トップ5は、和歌山県、奈良県、福岡県、岐阜県、愛知県となっています。

果肉の黒い斑点の正体は?

 1000種近くもあるといわれる柿は、受粉に関係なく渋が抜ける甘柿、受粉で種ができると渋が抜ける不完全甘柿、渋抜きが必要な渋柿に大別されます。甘柿の代表といえば富有柿で、甘柿の生産量の約8割を占め、他には次郎柿、太秋(たいしゅう)柿などの種類があります。不完全甘柿には西村早生柿、筆柿などの種類があります。渋柿の代表は平核無(ひらたねなし)柿で、渋柿の生産量の約8割を占め、他には刀根早生柿、甲州百目(こうしゅうひゃくめ)柿などの種類があります。
 甘柿と渋柿の違い、それは渋みの原因であるタンニンの一種シブオールの状態にあります。甘柿も渋柿もシブオールの含有量は変わらないのですが、シブオールが水に溶けない状態になっているのが甘柿で、水に溶ける状態のまま残っているのが渋柿なのだとか。口の中で溶けなければ、渋みを感じないのだそうです。そのため、渋柿は収穫後、渋抜きという工程を経て出荷されます。渋柿を干し柿にすると甘くなるのも、昔ながらの渋抜き法の一つです。ちなみに、果肉の中にゴマと呼ばれる黒い斑点を見かけることがありますが、これはシブオールが固まったものといわれています。

お酒×柿=OK! 鉄分×柿=NG!

 柿には、免疫力を高めるビタミンCや、抗酸化力にすぐれたベータカロテン、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を助けるカリウムなどが豊富に含まれています。また、柿に含まれる酵素カタラーゼにはアルコールを分解する働きがあり、タンニンには二日酔いを和らげる働きがあるといわれています。ただし、タンニンは鉄分の吸収を妨げますので、鉄分の摂取を心がけている方は、食事とは別のタイミングでお召し上がりくださいね。

熟れ過ぎたら冷凍でシャーベットに!

 店頭で柿を選ぶ際は、果皮が全体に濃いオレンジ色で、ヘタが緑色で変色や乾燥がないものが新鮮です。手に持ってずっしりと重みがあり、軟らか過ぎないものを選びましょう。保存する場合は、常温のままだと軟らかくなってしまうため、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。1週間は冷蔵OKです。うっかり軟らかく熟れ過ぎてしまったら、皮をむいて食品用ポリ袋に入れ、空気を抜いて密封し、冷凍庫で凍らせてシャーベットにすると美味です。


柿釜フローズンヨーグルト

 柿釜仕立てのヘルシーデザートです。プレーンヨーグルトを水切りした際に出る水分(乳清)は、乳酸菌をはじめカルシウムやカリウムが含まれていますので、カレー、トマト風味のスープ、スムージーなどに加えてご活用ください。作り方2でホイップした生クリーム50mlを加えると、よりまろやかに仕上がります。

作り方
  1. ボウルにザルを重ね、キッチンペーパーを広げ、プレーンヨーグルト150gをのせ、冷蔵庫で3~4時間ほど水切りします。
  2. 1にはちみつ大さじ1を加えて混ぜ、食品用ポリ袋に入れ、空気を抜いて密封し、冷凍庫で凍らせます。途中で2~3回、袋ごと手でもむようにして混ぜると、口当たりがなめらかに仕上がります。
  3. 柿の上部1/4を切ってフタにし、下部は大さじで果肉をくり抜き、2と果肉を盛り合わせます。
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written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。