菜果図録
春の芽吹きが香り立つ アスパラガス

 店先に並ぶ春野菜の中でも、スラリとした姿がひときわ目を引くアスパラガス。収穫期は春から初夏、夏から秋にかけての2回あり、春に芽吹いた若茎を「春採り」と呼びます。

z480_01

 グリーンアスパラガスは、たっぷりと太陽の光を浴びて緑色に育ったもので、独特の甘みと風味、歯ごたえのある食感で愛されています。一方、全体が真っ白なホワイトアスパラガスは、まるで別の品種のように見えますが、実はグリーンアスパラガスと同じ品種。土寄せや遮光フィルムで日光を遮り、軟白栽培したものです。また紫アスパラガスは、なすやブルーベリーに含まれているのと同じポリフェノールの一種アントシアニンという色素により、鮮やかな紫色をしています。ただし、加熱すると紫から緑に変色してしまうため、生食できるものをサラダなどで味わうのがおすすめです。

 アスパラガスには、疲労回復や美肌づくりに役立つアスパラギン酸、スムーズな糖質代謝を助けるビタミンB1、貧血予防なのに効果が期待される鉄分と葉酸など、美容と健康に欠かせない栄養成分が含まれています。特に穂先には、血管を丈夫にし、動脈硬化を予防する働きで注目されているルチンが含まれています。

選びかたと保存

 選ぶ際は、穂先が締まっていて、切り口が新鮮なものを。保存する場合は、乾燥しないようにポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に立てて保存すれば、2~3日はOKです。食べ切れないときは、かためにゆでて冷凍保存しましょう。歯ごたえのよい茎を噛んだ瞬間、口の中いっぱいに春が香るこの時期のアスパラガス。春ならではの味わいを、ぜひあなたの食卓にも。


アスパラガスのチーズ焼き

ピザ用チーズをかけて焼くだけの簡単レシピですが、驚きの美味しさに仕上がります。お好みでマヨネーズ少々をかけて焼いても。

アスパラガスのチーズ焼き
作り方
  1. アスパラガスはハカマを取り除き、皮が固そうであればピーラーなどでむくか、電子レンジ(強)で1分ほど加熱します。
  2. 耐熱皿に1を並べてピザ用チーズをのせ、さらに粉チーズをふりかけます(適宜)。半分に切ったミニトマトを飾り、粗びき黒こしょうを散らします。
  3. 2を200℃のオーブンで10分ほど焼きます。オーブントースターでこんがりと色づくまで焼いてもOKです。
photo
written by

堀 基子

/文・写真

野菜ソムリエ上級プロ。J Veganist。冷凍生活アドバイザー。アスリートフードマイスター3級。ベジフルビューティーセルフアドバイザー。ジュニア青果物ブランディングマイスター。アンチエイジング・プランナー。受験フードマイスター。第6回・第8回野菜ソムリエアワード銀賞受賞。